装置の図ばかりでうんざりしたでしょうから
話題を変えて、ちょっと、話しにくい話題を:

がんの治療にはいろいろな方法がある。
英語でこれをmodality
というらしい。
自分の方法がよいと思ったりあるいは、その方法で生計をたてていれば他の方法を
悪くいうのももっともだろう。

従来の放射線のガンマ線とX線はフォトン(光子線)と新参者の陽子線も紙上で批判したりしあうこともある。
でも一般にX線のひとたちが大多数で、いそがしさにまぎれて勉強していないので、フォトンのひとたちは
陽子線のことを知らない。
フォトンのお医者のなかでも最先端治療法がどんどんすすんでいるので、最先端技術はしらない。
つまり、どれだけ、その治療法に従事しているかで
評判がきまる。
陽子線のひとたちは、X線のひとたちの技術の進展がめざましいので焼きもきしているようにもみえる。
陽子線の治療患者数はまだたったの4万人。

それでは陽子線治療に従事しているひとたちは重粒子線治療をどうみているだろう!
理論的には重粒子がよい視線よりもすぐれていることに
反論しにくい!!!
重粒子線の患者はその1/10。

陽子線の医師たちの主張は

”臨床結果に両者の差がでていない”
といっているようだ。
いくら理論がすぐれていても
治療結果がかわらないではないかということだ。

本当は公の場で、構成な議論をして決着がつくといいいのだが
それほど簡単でもない。

比較の評価方法に QOL の指標が十分はいっていないことがある。

もっと、困難なのは
いわゆる
RANDAMIZED TRIAL
がどちらも
十分行われていないことらしい。

これは
無作為に十分な数の患者を比較すべき二つの群にわけたのちに
比較することを許される手法だ。

これが簡単でない。
第一、劣っていると思われるほうに患者を振り分けるのは道義的にむつかしい。

もっとむつかしいのは
両方の治療が可能な施設が 一方に偏っている。
(放医研は炭素、兵庫は陽子)

とすると別の病院での治療患者を比較しないといけない。
特に、陽子と重粒子はそれがまだできない。

すると少ない患者のなかから条件をあわせるのがむつかしい。
等々。

物理研究者側は理性と理論を優先するが
医師側は理屈はさておいて、結果優先だ。しかし結果がまだ...

わたしは理論を優先する。