より成績のよい治療結果を出す為には、より確実な基礎データが必要だ。

ガンの治療の場合、ガンの病気の種類があまりにも多い。
粒子線の場合、陽子での治療患者数が3万人強、重粒子の場合はその1/10の
3千人強だ。
陽子の場合はRBE(生物学的効果)はX線(光)とほぼ変わらないが
重粒子の場合は、3倍前後異なる。

というが、実はこのRBEは実験的に推定される量で、そのデータ数が少ない現状では
正常細胞のRBEの 推定精度の精度も十分でないという指摘がある。
現状の重粒子の治療計画では
患者の体は全身ガンになっているという前提の、RBE値で計画がつくられているという。

より正確なRBE値を実験的にだすには、
正常細胞に致死効果のある重粒子線の量を照射する必要がある。
しかし、患者の正常細胞に照査する量が少ないことが
重粒子腺治療の特徴なのだから、そんなことはできない。
そこにジレンマがある。

むかしから医療の進歩には人体での実験が必要であると医師が考えるのは
このような事情が一般的にあるのだろう。

人体実験にたよらずに基礎データをあつめる方法としては
許される範囲内で
重粒子治療の障害の程度をデータ化していく。

人体のかわりにマウスなどの動物実験でこれを補うなどの
方法がとられることになるようだ。