放射線および粒子線治療でそれぞれX線、陽子線、重粒子線(炭素イオン)を生成するのには加速器という装置が使われる。
ライナックはリニアックともよばれ、もとの語源はlinear accelerator をちじめたものだ。名前のとおり直線型の装置である。ライナックでは電子を加速する場合と陽子/重粒子(炭素イオン)を加速する場合がある。電子は軽いので電子ライナックでは短い装置で治療に実用的なものがつくれる。陽子は電子の1800倍も重いので、加速するのが厄介で、価格も値段もあがってしまう。陽子の加速にはサイクロトロンが当初使われた。サイクロトロンは鉄の固まりで(磁石)、大きなエネルギーにする場合には効率が悪くなり、シンクロトロンが使われる。シンクロトロンはここの構成要素の重量はちいさく、長くなるが、作りやすい。シンクロトロン とサイクロトロンも円形である点は同じだが、円が中空になっているのがシンクロトロンである。
炭素イオンではエネルギーが高いことが必要とされるのでどうしてもシンクロトロンになってしまうが、陽子の加速では、シンクロトロン とサイクロトロンの選択がしやすい。