肺がんの病期

 がん細胞の広がり具合、がんの進行状況を「病期」といいます。
 病期は、(1) おおもとの病巣(原発巣)、(2) リンパ節への広がり(転移)、(3) 他の臓器への広がり(転移)の3つの情報をもとに決められます。
 0、IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVの8段階に分けられています。
 病期は、肺がんの治療方針を決めるのにもっとも重要なものです。

1) 0期

 気管・気管支の内側の表面を覆う細胞の層の一部にのみ、がん細胞が検出される早期のがん。

2) IA期

 がんが原発巣のみにとどまっていて、がんの大きさが3cm以下で、リンパ節や他の臓器への転移を認めない段階。

3) IB期

 がんが原発巣のみにとどまっていて、がんの大きさが3cmを超える場合で、リンパ節や他の臓器への転移を認めない段階。

4) IIA期

 がんの大きさが3cm以下で、原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるものの、他の臓器には転移を認めない段階。

5) IIB期

 がんの大きさが3cmを超えていて、原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるものの、他の臓器には転移を認めない段階。
 あるいは、がんが肺を包んでいる胸膜や胸壁に直接浸潤しているものの、リンパ節や他の臓器への転移を認めない段階。

6) IIIA期

 がんの大きさにかかわらず、リンパ節への転移が、原発巣と同じ側の縦隔のリンパ節までおよんでいるが、他の臓器には転移を認めない段階。
 あるいは、がんが肺を包んでいる胸膜や胸壁に直接浸潤していて、原発巣と同じ側の肺門のリンパ節のみに転移があり、縦隔のリンパ節や他の臓器には転移を認めない段階。

7) IIIB期

 がんの原発巣が、心臓・大血管・気管・食道・脊椎などの隣り合う臓器に直接浸潤している、あるいは胸水または心嚢水が貯まっている。
 または原発巣と反対側の縦隔のリンパ節や首のつけねのリンパ節に転移があるものの、他の臓器への転移を認めない段階。

8) IV期

 原発巣のほかに、肺の他の場所や、他の臓器(脳、肝臓、骨、副腎など)にがんが転移している段階。

新潟病院より

http://www.niigata-cc.jp/Sikkan/Setumei/HaiGan.html