早朝のシネコンは静かだった。
だけど座席はほぼ埋まっていた。
映画はだいたい一人で観る。
新海作品はぼっち組も多いけど、今回は若い男の子の2人組が多かった気がする。
年寄りと子供が少ない映画は快適。
途中で席を立つ人が居ないし、騒がないから。
年取るとトイレが近いからしょうがないんだろうけどね。
IMAXの大音響の中、監督ならではの緻密な映像が流れる。
「君の名は」の複雑さはなく、「天気の子」よりも明快。
集大成とは思わないが、ものすごくよく出来た映画だった。
何度も何度も胸にグッとくる場面があり、マスクの中は鼻水で湿り、油断すると嗚咽しそうになるのをこらえたので息が苦しかった。あちこちで鼻をすする音が聞こえ、ハンカチや手で目元をぬぐう影が見えた。
エンディングが流れ、スクリーンはすでにブラックバックでキャストのエンドロールになっているのだが、どう言うわけか涙が止まらなかった。歌が胸に迫るというのはこういう事かと実感した。
どこが泣き所か自分でも全く分からないのに嗚咽が止まらないという経験もまた初めてだった。
「すずめ feat.十明」
この曲の凄さは、映画を観た人ならきっと。
3年かけてこんな最高なものを作り上げてくれる監督とラッドとスタッフに感謝しかない。
映画が完全に終わり、何百人もいるはずの劇場が明るくなるまで誰も声を発せず、誰一人席を立たず、呆然としている人も見受けられ、
私もなんて特別な空間にいたのだろうと思わされた。
ネタバレじゃない部分で言うと、
今回も神木きゅんがイイ仕事してます(笑)
そして聖地巡礼をしようと試みると、完全に全国行脚になってしまうということ、今までの大震災で何らかのトラウマを抱えている人は、観ない方がいいかもしれないということ。
パンフレットと、入場の際に配ってもらえる「新海誠本」、
そして観終わった後に思わず買ってしまった鍵のペンダントが戦利品。
私はあと何回、この映画を観るだろう。