番外編・夏のお約束 6 ルートA | 徒然とわ日記

徒然とわ日記

日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
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別荘は、入り江の奥、人の目につきにくい場所にあったのだが…。

現場に到着した一行を出迎えたのは、腐って崩れ落ちた、屋敷の残骸であった。


「やはり朽ち果てていたか…。」

別荘の無残な姿を見て、ジョウジが呟く。



「しゃあないぜ、誰も手入れに来てなかったんだろ?」

ガロンがつん、と門らしきものをつつくと、ガラガラと崩れ落ちた。

「うへぇ…。」



「気にするな、爺や。もとより、テントを使うつもりだったんだ。」



「そうよ、そのために荷車を用意したんだし。そうね、ここにテントを張りましょうよ。」


若人達は、全く気にする様子もない。むしろ楽しげに別荘跡を眺めている。



「皆様…かたじけない。それでは、この場所にテントを張りますので、まずは邪魔な瓦礫を片付けましょうか。」



全員で手分けして片づけをしていると…。



「おい、オッサン!ちょっと来てくれ。」

ガロンが何か見つけたようだ。



「どうした?」



「なぁ、これって…。」


ガロンが指差した場所には、鉄製の扉があった。

少しだけ開き、それが観音開きになっていることが見て取れる。



「…これは…。」

腕を組んで考え込むジョウジ。







そんな一行の様子を草木の陰から見ている人影があった。

仮面の男ラギだ。

――とわ。やはり、美しい女だ…。



ラギがとわを見守っていると、その背後から――。

「おい、そこで何をしている?」



「!」

咄嗟に樹の枝に飛びあがるラギ。

――何だ?まさか…俺の隠密術を見破る奴がいるのか?



枝から見下ろすと、ユクモ装備のハンターが、ラギを見上げていた。



「何者だ?」

ラギが問う。



「そいつは俺の質問だ。お前こそ何者だ、そしてお嬢…とわに何用だ?返答次第では…。」



「次第では?」



「…こうだ!」

言い終わるか終らぬかのうちに、編み笠の男の懐から短刀が飛びだし、ラギを襲う!



「…!」



キィィーーン!

いつの間に装備したのか、両手に持った双剣で短刀を弾くラギ。



「ほぅ…。あれを防いだか…。」



「――貴様……。一度、死ぬか……?」

仮面に隠れて表情は見えないが、全身に殺気がみなぎっている。



「おもしろい…お前に俺が殺れるかな?」

こちらも殺気を纏い、薄ら笑いを浮かべるユクモ装備の男。





「「…………。」」

2人の冷気が接触する。





「…せぇいっ!」



「うりゃぁぁぁ!」



ガキィィィン!

ギィィィン!



斬りつけて来た仮面の男の双剣を大剣の腹で受け止め、ユクモ装備の男は、もう片方の手でハンターナイフを操り、双剣を叩く。



それは物凄い衝撃音で、離れた場所に居たとわ達の耳にも届く。




ガキィィィーーーン!

ジョウジが扉の前で考えていると、金属同士がぶつかりあう物騒な音が響いてきた。


「…何だ?」



「おいおい、何の騒ぎだ?」

ガロンと2人、振り返る。



すると、1匹のアイルーがこちらに駆けてくるのが見えた。

「とわお嬢さ~ん!大変だニャ~!」



「ジェット君?!」



ナイトのオトモ、ジェット君はとわの手前で立ち止まり、叫んだ。

「お嬢さん、旦那さんを止めてほしいのニャ!」



「どういうことなの、ジェット君!」

とわは屈みこんでジェット君の手を握り、事情を聞く。



手紙を受け取り、紫の花びらを追いかけて来た矢先、とわの様子を見ていた怪しげな仮面男とトラブルになり、お互い武器を抜いてしまったとのこと。



「やだ!早く止めなきゃ!」

駆けだそうとしたその肩を――。



「そいつは俺達の役目だ。なぁ、オッサン?」

ガロンが掴む。



「あぁ、お前の言う通りだな、ガロン。」

とわの行く手に立ちふさがるジョウジ。



「爺やにガロン…!」



「お嬢様、ここは我らにお任せを。」



「頭に血ィのぼったアイツを止めることができるのは、俺達くらいだろ?」



――確かに、ガロンの言う通りだろう。とわは勿論、ワグナーでも止めることは到底無理だろう。



「…お願いね、爺や、ガロン。」



「――御意。」



「任せとけ!」



2人は心配そうなとわをその場に残し、ナイトと、おそらくラギであろう仮面の男のもとへ駆けだした。





つづく

とわ&GG共著