勝ち気で社交的な女性ハンター。
臆病者と呼ばれている物静かな男性ハンター。
俺の顧客に、こんな客がいる。
一見釣り合わない2人。だが、ペアを組んで長い。
どうも、女性の方が男性に惚れている様子で、周りを不思議がらせている。
「あの華やかな子なら、何もあんな冴えない男じゃなくても、よりどりみどりだろうに。」
今日も2人揃って、防具の修繕にやって来た。
「こんにちは、良い天気ね!補修をお願いしたいの。」
女は2人分の素材を出す。男は静かにそれを見守っている。
「彼の分は以上よ。あたしのは……ええと…、ディアブロスの角はどっちだったかしら…」
「グリーヴなら堅牢な方だ。頭と胴なら大地を穿つ方。」
男は静かな声で言い、女の抱えた素材の中から、頭と胴用に大地を穿つ剛角を2本、脚用に堅牢なねじれた角を5本、取り出してカウンターに置いた。
さらに男は、書類に手早くサインし、代金を支払う。
女は男にありがとうと寄り添った。
俺は思った。
この男、世間で言われているようなぱっとしない男じゃない…のではないか。
加工中、困ったことに急遽、鉱石が必要になった。
市場に出回ってないか確認したが、あいにく今日は流れていない。
どうしたものかと街道で思案に暮れていると、例の男が通りかかった。
男はこちらに軽く礼をし、お困りですかと声をかけてきた。
鉱石の話をすると、彼は、ちょうど天空山に向かうところだと言い、誘ってくれた。
ハンターと行動を共にする機会など滅多にない。
彼らの行動を、俺は興味深く観察した。
モンスターを彼らが相手している間に、俺は採掘をする。採掘が終わったら、安全な場所で彼らの狩りを見る。
そこで知った。
男は臆病者などではなかった。
彼は罠や道具を使った静かな狩猟を得意としていた。
猪突猛進型の女ハンターは攻撃役、男ハンターは冷静な状況判断で彼女をサポート、時には自らが止めを刺す。
彼女が輝けるのは、彼の的確なサポートがあり、幾たびもの危機を救ってもらっているから。
俺はその姿に感心した。
「……変な誤解、解けば良いのに。」
俺の言葉に、女は艶やかに笑う。
「彼の魅力は、知る人ぞ知るでいいのよ。もったいなくて教えられないわ。」
彼は、今日も何も言わずに狩りに出かける。
「男は、黙って自分の仕事をするだけさ…。」
fin
とわ&GG共著