いつの世も、金の力は良くも悪くも絶大である。
「待って!あたしが替わりになるからっ!!
この子だけはー!!」
さあ、店を開けよう。
俺が入り口を開け放つと、それを待っていたかのように、女性が2人戸口に立っていた。
「あ…いらっしゃい、どうぞ。」
2人は手を繋いで入ってくる。姉妹だろうか?
姉であろう女は、軽装ながらも装備は整っている。
かたや、妹らしき娘はワンピースを着ており、町娘然である。
「この子に、防具を見立ててやって下さいな。」
ハンターの女が言った。
世知辛いことだが、貨幣や土地などの財産を持って無いと、世の中では弱者となる。
この世界でもそれは同じで。
もともと大酒飲みの両親で、決して良き親ではなかった。
酒のみならず博打も打ち、姉妹は細い肩を寄せ合って、必死で生活を支えていた。
その両親は、負の財産を彼女らに残して、流行病であっけなく逝った。
「お前らの両親がな、この家と、お前たちのどちらかを差し出すと書面にしたためていてな。」
ある日、姉妹の前に借金取りが一通の文書と共に現れた。
確かに父母の筆跡だ。
今までだってどん底だった。けれど、多額の借金の担保に、まさか自分達まで入っていたとは。
ガラの悪そうな男達は、姉妹を値踏みする。
「お前は少しばかり年がいってるな。よし、妹の方を貰っていくぞ。」
乱暴に妹の腕をつかみあげ、引きずるように連れて行こうとする男達。
姉妹は必死で抵抗する。
しかし、力で敵うはずはなく、無情にも…。
妹は麻袋に入れられて担ぎ上げられ、姉は殴られ気を失う。
姉娘が気づいた時には、装備加工屋に寝かされていた。
「目が覚めたかい?」
穏やかな声に、不意に悲しみの波が襲ってくる。
彼女は、己の非力さに慟哭した。
加工屋の女将は、彼女をしばらく店に置いた。
店を手伝わせ、食事と、わずかだが給金を出す。
やがて姉娘は、決断する。
ハンターになろう。
そして稼ごう。
借金の代償にとられた妹を身請けするためにだ。
つづく
とわ&GG共著