「…キャー!!」
「えっちーーー!」
とわとみずきが叫ぶ。
ジョウジとワグナー、目の前の光景に固まる。
散乱した調理器具。
ヒラヒラでキラキラのラッピング用品。
ゆるやかな部屋着にセクシーなエプロン姿のお嬢様方。
テーブルには、2人の名を記したチョコレートケーキ。
「…!」
ワグナーもジョウジも、はっとした。
バレンタインデー。
本来はお世話になった方々にお礼をする日らしい。
商人たちの戦略により、現在では女性が、男性に想いを打ち明ける日となっている。
「見つかっちゃったら仕方ないわ♪」
とわとみずきは目配せしあう。
「「兄様、爺や、だーいすき!!」」
2人に、出来たてのチョコレートケーキを差し出した。
飛び散った粉のせいか、なんだか目の前の景色がぼやける。
外の寒さが身にしみていただけに、心と目頭が熱くなり。
極めつけは。
とわ、みずきに、左右のほっぺにちゅっ♪
その日、妹達が作ってくれ食べた、ちょっぴり塩味のチョコレートケーキ。
その味をわたしは、おそらく一生、忘れないだろう。
fin
とわ著