ザボアザギルを弱らせることは、それほど大変なことではなかった。
だが。
逃げ出したザボアザギルを追い、エリア移動した時に、出逢ってしまった。
そう、遭遇率わずか2%。
――怒り食らうイビルジョー。
「!」
ワグナーは初めて見る巨体に不意をつかれた。
体当たりを食らい、吹っ飛ばされる。
受け身を取って着地しながら、ワグナーは得体の知れない恐怖を感じた。
――何だ、あの禍々しいモンスターは!
「武器は何としても手放すな。手放したら命はないと思え。」
ジョウジから教わったことが頭に浮かぶ。
雄叫びをあげるモンスターに大剣で斬りかかりながら、ジョウジは叫ぶ。
「若!イビルジョーです!しかも、たちの悪い方だ!」
大きく体を揺らし、赤黒いブレスを吐き出しながら、こちらに寄ってくる。
――懐に入れれば!
ワグナーは思い切って前転した。
?が。
強烈なブレスを食らって、またも吹っ飛ばされる。
壁にしこたま背中を打ちつけ、一瞬目眩がした。
「若!引きなさい!それはターゲットではない!」
ジョウジの声がしたが、ワグナーは太刀を構え、後ろ足に切り込んで行く。
未知のモンスター。
恐怖と裏腹に、彼の好奇心には火がついていた。
――知りたい。
こいつは、どんな奴なんだろう!
しかしながら、ワグナーのハンターとしての能力は、まだ怒り食らうイビルジョーを狩るには力不足である。
ジョウジは、彼を援護しながら、再三、退けと忠告する。
突っ走って目的を見失う性格は、相変わらずか…。