エピソード・真っ白な記憶 その壱 | 徒然とわ日記

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日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
見てくださったら嬉しいです(^_^)/

ぽっかりと、大きな穴があいている。
埋めようにも、どこから材料を運べばいいかもわからない。

真っ白な大地に、ただひとり。


「…あ痛た…」

痛みで目が覚める。
あちこちがズキズキ痛む。
――なんだ、これ…。

頭が重い。
体を起こそうとするが、言うことを聞かない。
それどころか、胸の奥が痛い。
―なんだ、このくすぶるような痛みは…?


「こいつ、気がついたニャ!」
「生きてるニャ!」
頭上でネコみたいな生き物が話をしている。
眩しくて目が開けられない。

太陽が、傘で遮られ、年配の婦人のおっとりとした声がふってくる。

「ここはチコ村って言うのよォ。ここに流れ着いたってことは、ハンターさんは、遭難したのねェ…。」

――は?遭難?誰が?

周りを見回すと、おばあちゃんが1人。ネコがたくさん。
皆、じっと自分を見ている。
――わたしが?
――遭難?

ばっと起きあがると、全身に痛みが走る。
ネコたちが支えてくれる。片膝を砂につき、瞬間、何かが頭をよぎった。

―あれ?

深い霧の中にいるようだった。
思い出せない。


「あなたのお名前は?」


名前…わたしの……


いや!
ちょっと落ち着こう!落ち着けわたし!


深呼吸をし、もう一度。


………。



わたしはがっくりと手をついた。
何もわからない。
思い出せない。


わたしはいったい、
何をなくしたのだ――?

つづく