エピソード・哀しき再会その参 | 徒然とわ日記

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日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
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「駄目だ…わたしにエルクは狩れない……」
キャンプの簡易ベッドに座り込み、力なくうなだれるワグナー。

そんなワグナーに、ジョウジは問いかけた。
「若…あなたは何故ハンターになったのです?」
「…ハンターになった理由…?」

顔を上げたワグナーに、ジョウジは自らの過去を語りだした。
「拙者の両親もハンターでした…。」

父は大剣、母はライトボウガン使いだった。
キャラバンに同行し、決して立ち止まる事のない移動の日々。

「次は何処に行くのだろう、どんな人達と出会えるだろうと、子供の自分は両親と共に何処までも行けるものと思っていました…」
そう語った爺やは、懐かしそうに微笑みを浮かべた。

「しかし…ある日、両親は炭鉱夫達の護衛の依頼を受け、それっきり、帰って来ることはありませんでした。」

戻って来た鉱夫達の話では、採掘中に突如現れたグラビモス亜種から、鉱夫達を逃がす為に2人で立ち向かい、そのまま消息を絶ったとの事だった。

ワグナーは何とも言えない複雑な表情でジョウジを見つめる。
ジョウジは淡々と続ける。
「それから数日後、拙者はキャラバンの団長から一通の手紙を受け取りました…。」
「お前の両親から預かっていた。自分達に何かあったら、息子に渡してくれとな…。」

手紙は父親の文字でこう書かれていた。

『お前がこの手紙を読んでいると言う事は…まぁ、そういう事だな。
俺達の息子のお前のことだ。ハンターになるのだろう。
ならば、先輩ハンターとしてこれから言う事を覚えておくのだ。
一つ。何者にも縛られるな。自由であれ。
二つ。自分が認めた仲間は、何があっても見捨てるな。
そして…三つめだ。
自分の意思で引き受けた依頼は、決して最後まで投げ出すな。
それがハンターの務めだ。』

最後に、母親の文字で付け足されていた。
『愛するジョウジへ。
困っている、力無き人達の助けになる。…これも、ハンターの立派な役目だと思うの。』

「……このように両親は、ハンターの務めを教えてくれました。
…拙者の話は以上です。」
ジョウジは、キャンプから狩り場へと歩き出した。


途中で投げ出すな。弱き者の助けになれ。胸に、この二言が染み込んでくる。
エルクは確かに、既に多くの人に怪我をさせ、被害は甚大だ。

やはり、やらねばならぬのか―…。

苦しい胸の内は変わらない。しかし、覚悟を決めねばなるまい。
ワグナーも歩き出した。
つづく