エピソード・哀しき再会  その四 | 徒然とわ日記

徒然とわ日記

日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
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狂竜症に冒され、我を忘れたように暴れるエルク。
ワグナーも逃げ回るので精一杯だった。

――なるべくなら、なんとかあいつを眠らせて大人しくさせたい!

ワグナーの悲痛な願いは届かず、爺やを崖下エリアに吹き飛ばし、仲間もキャンプ送りにし、狂ったウルクススは暴走を止めない。

――ダメか!――

仲間が二回落ちている。もう後がない。
自分に向かって狂気の瞳を向け、突進してくるウルクスス。

――ならば、せめて!
せめて、安らかに!!

ワグナーは、渾身の一撃を繰り出した。刃は深く、ウルクススの腹に突き刺さる。

その瞬間。
ウルクススの目から、狂気が消えていく…。

揺れるワグナーの耳飾り。

「きゅぅぅ~…」

ウルクススは、甘えるような声をあげ、目を細めてその飾りに鼻先を寄せる。

「…エルク!わたしがわかるのか!」
ワグナーはずいぶんと大きくなった、かつての親友に呼びかける。
狂竜化が解けて、わたしを認識できる今なら、なんとかこいつを助ける方法があるかもしれない!

が。次の瞬間。

ウルクススの体がびくんと大きくはねる。

背後からの銃撃。容赦なく幾撃も追撃が入る。

「ああ……」

ワグナーと目を合わせながら、ゆっくりと崩れ落ちてゆくエルク。
大きな瞳に、いっぱいの涙をためて――……。



「…エルクーーー!!!」


あらん限りの声で、ワグナーは泣いた。
駆けつけた爺やの胸にすがり。
あの日、可愛がっていたエルクを生息地へ返した時のように。
声が、涙が、枯れ果てるまでワグナーは泣き続けた――…。


やっとの思いで宿に戻り、子どものように眠ってしまったワグナーを見届けると、ジョウジはそっと宿を後にした。
彼もまた、心の整理をつけなければならない。



街で馬を一騎借り、夕暮れの野を駆ける。
雪はやんでいた。

たどり着いたのは、
真新しい花で彩られた、真新しい墓地。

ジョウジは、その前に跪き、持参した両手いっぱいの花を手向ける。
彼の女性を思わせる、優しい薫りがジョウジの頬を撫で……
彼は、そっと墓標にくちづけを落とした――。


「体は遠く離れても、
心は、いつも繋がっているわ…」


沈みゆく太陽の、最後の煌めきが、墓標と彼の姿をひとつに溶かす。

――ジョウジの胸のペンダントが、ひときわ美しく輝いた――。



哀しき再会fin とわ&GG共著