いろいろ考えさせられる小説でした。
木嶋佳苗の連続殺人事件をモチーフにしているけれど、
完全なフィクションです。
男性3人の連続殺人容疑で逮捕起訴されている梶山真奈子の
事件を追うジャーナリスト、町田里佳。里佳は梶山と面会を
繰り返すうちに、自分が目をそらしてきた自分の過去や生活、
考え方などを自然と考え直すというストーリーです。
木嶋事件が起きた頃、私の知り合いの当時70代だった独身男性が
「あれはね、ブスだから油断したんだよ。美人だったら警戒するもん」
と大真面目に言ったことを思い出しました。
言い方がおかしくて笑い話にしていたけれど、
この言葉には男性の典型的な女性観が表れていると思います。
ブスなら自分でもたやすく手に入るが、美人は手強い、という。
考えてみると、失礼だし理不尽ですね。
女性の側もなんとなく、美人は徳だと思いがちです。
でも実際はそんなことはないのだと思います。
以前、女の私の目から見ても可愛いと思う女友達と人込みを
歩いたとき、すれ違う男性全員が彼女をちらっと見ることに
気がつきました。
隣りにいる私にはもちろん目もくれない😁。
好きな人に見られるならうれしいでしょうが、
その他大勢にまでジロジロと見られるのは気持ち悪いだろうと思い、
とても同情したことを覚えています。
しかし、本書が目を向けさせるのは、単なるルッキズムの
問題ではありません。
社会が女性に求める価値観に、女性自身が縛られているという事実。
例えば家庭的、というのを褒め言葉として女性が受け止めるなら、
それは男性中心社会の価値観を女性も受け入れている
ということになります。
好きなものを食べて健康的に太るのは構わないはずなのに、
なぜかスレンダーでいることが努力の証しのように
考えられている現代。
そして女性の側も太っている人を見下すようなところがあると
思います。
男性社会を一気にひっくり返すことはできませんが、
まずは女性の側が考え方をもっと自由に、寛容にすることで、
世の中が少しずつ女性にも優しく、男性にも暮らしやすいものに
なっていくのではないかと思いました。
☆☆☆
バターを使う料理が何度も出てきて、いつもは常備していない
有塩バターを買ってみました。
もちろん、エシレやカルピスではないですが。
それと里佳が梶山への差し入れに持って行ったCHOICEを
久しぶりに食べてみました。
が、こんなにまずかったかな?と思うくらい口に
合わなくなっていました。
粉の味わいも何もない、香料で付けたバター風の香りがして
後味の悪いクッキーでした😥。
口直しに週末、栗原はるみレシピのオートミールクッキーを自分で焼きました。
私は料理が好きで、20代~30代にかけていろいろと習ったことが
あります。
それは、自分が毎日の生活を豊かにするために食生活は
大事だと思うから。
そのころの友達は料理を習っていると知り合いの男性に話したら、
「男の気を引きたいからか」とか「花嫁修業か」と言われたそうです。
それを聞いたその場にいた私とずっと年上の友達は口を揃えて
「『あんたのためじゃない』と言ってやりなさい!」
と言いました。
この男は何様のつもりなのかと思います。
人が料理をするのは自分のため、そしておいしい体験を共有したい
と思う愛する人たちのためです。
不特定多数の、現れるかどうかもわからない未来の夫のため
などでは決してないのです。
