フィリピン再挑戦の旅(エピローグ)〜中国の実家から名古屋に戻る母子と | Kenichiのブログ

Kenichiのブログ

ブログの説明を入力します。


(上海空港にて)

今日はひたすら日本に帰る日。
でも最後にまた、ちょっとドラマがあったんですよね〜。
昨日の夜遅くにマニラ空港に着いてから、出発ゲートのベンチでうとうと。
2週間ぶりに、サンダルから靴に履き替えました。

深夜2時半頃に上海行きのチェックインカウンターの表示が出たので並んだけど、実際にチェックインが始まったのはその1時間後。
だったらも少し寝させといてくれよ〜。

(チェックインカウンター上の大広告画面で、伏見稲荷に再会)

とはいえ早く前の方に並んでおいたので、窓際席をゲットできました。
上海までの便は左側、上海からの便は右側と指定して、逆光対策も抜かりありません。
ちょっとだけ余ったフィリピンペソを空港両替所で日本円に換えたら、中途半端に120何ペソか余りました。
それって日本円にすれば、三百何十円のことに過ぎないんですよ。
でもらこの国でそれだけのペソがあったら、ちょっとした物が買えるのは、旅日記を読んでいただいてた方にはおわかりですよね。
さて第一ゲートの出発ロビー(イミグレーションの向こう側)では、こんな深夜にペソ使える店が開いてるだろうか?
…って、ありました、たくさん。
首都の空港を舐めちゃいけませんね。
とはいえいえそこはさすがに空港内プライス。
お値段もそれなりです。
自分は小腹も減ってたし、120ペソの肉まんがピッタリで飛びつきました。
でもそれって冷静に考えると300円以上。
日本でもそのランクのだったら観光地プライスです。
ただこの肉まんはかなりデカめ。
フィリピンでは肉まんのことを「シオパオ」と呼ぶんですが、漢字にあてればもちろん小包。
それに見合わぬデカさに、お腹はたしかにみたされました。

6時45分にマニラを発つ頃には、外はもちろんすっかり明るく〜。
昨日までいたラウニオンの海岸も見えました。
チェックインの時に細かく左右までリクエストしたこちらの意図をくみとって、翼が遮らないような席を選んでくれてるのにも、感謝です。
山岳地帯を見るなら右側の席を選んだほうが良かったんでしょうけどね。

この2週間這い回った山並みを、飛行機は軽々と越えてしまいます。

4時間近く飛んで上海に着き、その後はまた4時間くらいの待ち時間。
外は冷たい雨が降ってるようですね。
もちろんもうTシャツ一枚では過ごせません。
そういえば乾季のフィリピンでは、一度も雨に降られませんでした。
昨夜マニラのバクラランにあるセブンイレブンで買った焼肉弁当が、お昼になります。
キムチの香りが、待合ラウンジに広がったかも。

大阪(関空)行きの飛行機は14時40発の予定です。

さてエピローグドラマはここからです。
今度もマニラのチェックイン担当者の配慮で、翼がかからない右側の窓際席が確保されてるはずでした。
ところが機内に入ってみると、右側3列席の窓寄り2席には既に、乳児を抱えたお母さんと、長男らしい幼児2人が座ってて、空いてるのは通路側席のみ。
いちおうマニラ発券のチケットを見せて「あのう、窓際は〜」と英語で言いかけたんですが、お母さんが多少訛りの残る日本語で「代わっていただいてもいいですか?」
楽しげに窓の外を眺めてる幼児に、手のかかる2人の子供を抱えて大変そうなお母さん。
「ダメです」とは言えませんよね。


でもそれ以上に楽しい旅になりました。
このお母さんといろいろ話をすると、ハルビンの実家で春節を挟む3ヶ月間を過ごし、旦那さんの待つ名古屋の家に帰るとこらしい。
ハルビン〜名古屋の直行便も無いわけじゃないらしいんですが、何倍もの運賃になってしまうそうです。
ハルビンといえば、ロシア国境からもそう遠くない都市。
そこから上海に周るのはとんでもない遠まわりなんですが、上海ハブの中国東方航空は安いチケットがありますからねえ〜。
そのかわり小さな子供を2人も抱えて丸一日の旅をしなくちゃならないお母さんは、もう見るからに大変そう。
その助けになるなら、自分の窓際席なんか、喜んで提供しましょうよ。
「実は僕は今回はフィリピンからの乗り継ぎですが、中国にも何度も行ってるんですよ。」
初めて(ハルビンも含めて)中国を旅したのが、もう30年くらい前。
その間に中国は、どんどん豊かになってきましたよね。
一方彼女が日本に留学に来たのが18年前。
ちょうどそのあたりの頃から、日中関係は悪くなり始め、いろいろ気苦労もあったはずです。
そんななか、日本の男性と結婚して、2人のお子さんが〜という時期にコロナ禍で帰れなくなったそう。
前回帰ったのが、上の子がいまの下の子くらいだった頃。
それ以来4年ぶりの帰省だそうです。
あちらのご両親も、孫と長い時間が過ごせて良かったことでしょう。

以前逆に、日本から中国に行ってあちらの女性と結婚した男性のペアと、旅先で会ったことも書きました。
こういう人たちが(お子さんたちも含めて)日中の架け橋になってくれることを、本当に願ってやみません。
そりゃ河辺のような旅人風情が何度か訪ねて現地やSNSで多少呟いてみたところで、こういう足が地についた生き方をしてる人たちのリアリティーには、とてもかないませんからね。

ルソン島の山奥で、地道に棚田を作り続け、外国からそれを観に来る酔狂な者がいれば、戸惑いながらも歓迎してくれる。
そんな人たちと生活の一端を重ねるようないとなみ…。
それは現地の人と結婚するだけでなく、フェアトレードのコーヒー農場に関わったり、ネットで繋がる人たちと交流を深めたり〜。

それはフィリピンとの関係でも同様です。
もちろん韓国ともアメリカともロシアとも…。
かつて「反日武装」を唱えた者たちが、ピントを外して目指したことは、実はこんな人たちの地道ないとなみに、大きな可能性があるのかもしれません。

#フィリピン
#マニラ
#上海浦東空港
#東アジア反日武装戦線