昨日の旅日記を、まずアップしておきます。
午前中は両替所に足を運んだりしただけで宿でゆっくりしてから、まずは近くの国鉄駅があるパコに向かいました。
ここは自分がかつて初めてフィリピンに来たとき、マニラの街中で仲良くなった青年が「我が家においでよ」と泊めてくれた思い出のエリア。
(現在のパコ)
当時はかなりの貧民街で、旅人が一人で入り込むにはちょっと危険を感じるような場所でしたが、もちろんその青年のお陰で大丈夫。
今よりはるかに貧しかったフィリピンの、平均的庶民の暮らしを体感できたのでした。
ちなみにそのとき彼が紹介してくれた友人に綺麗なニューハーフさんもおり、自分がその後TGな人たちと親しくなる伏線にもなる経験でした。
あれから30年、パコはすっかり変わっていましたね。
貧民街は姿を消して、タワーマンションさえ建っています。
かつて鉄道の拠点だった歴史を持つ華麗なパコ駅は廃墟になって、その脇にちいさなホーム2本だけの途中駅に。
その上には高速道路を騒々しく車が走ります。
元パコ駅前広場だったスペースはそのジャンクションに変容。
広場の真ん中にあった高山右近像は、道路に囲まれた人影まばらなミニ公園に、ひっそり立つ姿になってしまいました。
ちなみに高山右近というのは戦国時代のキリシタン大名で、徳川幕府の禁教令にも改宗を拒否して老齢でここマニラに追放され、まもなく亡くなった人物。
当時はこのパコあたりに、日本人町があったそうですね。
さてそれ以上にショックだったのは、グーグル検索でチェックしてたはずの12時過ぎの列車が廃止され、次の列車が2時間以上後だったこと。
ちなみにこの列車の終点アラパンから、ジプニーに乗り換えて元日本人戦犯刑務所があったモンテンルパを目指すのが、今日のメインメニューなのです。
さあ困った。
まずは近所の大衆食堂で魚定食62ペソ(170円くらい)を食べながら、作戦変更です。
Wi-Fiが効かないので、ネット情報は使えません。
『地球の歩き方』情報に頼って、ジプニーの乗り継ぎでアラパンを目指そうとしましたが、どうもアラバンターミナルは複数あるみたいでうまくたどり着けません。
結局2時間半後にパコ駅を出た国鉄列車に合流する羽目になりました。
このあたりの国鉄は、まだ郊外に分厚く残る貧民街のなかを無遠慮に抜けてゆきます。
ちょっと見は30年前のパコと変わりないように見えます。
さてようやく着いたアラパン駅。
サリサリストア(フィリピンの雑貨個人商店)などが並ぶ路地を抜けてジプニーが発着する賑やかな大通りに出ました。
まずは屋台でホルモン唐揚げとオレンジジュースを注文したあと、その店でモンテンルパの刑務所跡へ行くジプニーを教えてもらいます。
結局『歩き方』よりもネット情報よりも、ここでは現地情報がいちばん頼りになりますね。
屋台の親切なおばちゃんは、大通りへ出て、刑務所公園に向かうジプニーを教えてくれました。
正解は、『歩き方』にもない、文字通り「メインゲート」行きのジプニー。
その終点がまさに刑務所公園のゲート前なのです。
…ってか、元刑務所周辺が公園になってるのも、そこで初めて判りました。
ただ残念なことに、道も渋滞気味でそのゲートに着いた段階で既に17時前。
広々した公園を満喫してる余裕はありません。
そもそもメインの旧刑務所資料館は事前の申し込みがないと見学出来ないようです。
ただ公園内には、当時日本軍が使っていた大砲が展示されてたり、日比友好碑らしいのも発見。
メインの日本語表記によれば、群馬県群馬町出身で戦前からフィリピンで事業を展開していた、大澤清なる人物を顕彰するものみたいですね。
この地が戦犯刑務所になった縁からか、モンテルンパと群馬町の姉妹都市提携に尽力したこと等が刻まれています。
群馬町は我が亡母の出身地渋川市にも近く、馴染みある地名です。
意外な出会いに、
ちょっと嬉しくなってしまいました。
でも、それだけといえばそれだけ。
他にも日本人墓地などがあるはずなんですが、帰りの時間が気になって断念しました。
逆にラッキーだったのは、昨日今夜の夜行バスのチケット買うときに、遅い22時発の便しか残ってなかったんですよ。
あの段階ではモンテルンパまで足を伸ばす予定は無かったんですが、こうなってみるとバスが出る時間が遅いのは安心材料になりました。
まずはジプニーでアラパン駅に戻り、19時過ぎに出る列車があるのを、帰りは確認しています。
待ち時間の間に、線路脇にある屋台でラーメンライスと紫芋ティー(ティーか？)をハシゴしました。
1時間後にパコ駅に着き、ホステルまで歩いて預けた荷物を出し、今度はメトロを乗り継いで9時半前にはキュバオのバス乗り場に着きました。
さあ夜行バスで、ルソン北部の山中に向かいます。
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