表題の本を詳しく紹介しよう.

 

『ブラック精神医療「こころのケア」不都合な真実 (扶桑社新書) ペーパーバック 新書 – 2021/10/31米田 倫康(著)』

 

10くらい年前にも同様な本がでていて,このブログでも紹介した.

 

精神医療ダークサイド (講談社現代新書 2231)

by 佐藤 光展  | Dec 18, 2013

 

精神医療ダークサイドとかブラック精神医療とか似たような題名なので,内容もにていると考えられる.Amazonでの紹介を引用する.

 

気軽に受診してはいけない!
・不必要な治療で健康な人まで「薬漬け」に
・隠蔽される患者への虐待・暴行・わいせつ行為
・患者を治さない方が儲かる病院側の思惑
・全国の有名病院で精神保健指定医資格の大量不正取得が発覚
・「コロナうつかも?」で病院に行く前に知ってほしい精神医療現場の驚愕の実態!
 

目次紹介をみるだけで,どのようなことが書いてあるか分かる.目についたものだけ挙げてみよう.


●増え続けるメンタルクリニックと患者/「うつ病キャンペーン」とは何か?
●芸能人の自死を「うつが原因」とコロナ禍をビジネスチャンスとする精神科医も
〇社会問題となった「リタリン中毒」

◎精神科の治療によって症状が悪化した可能性

〇抗うつ薬が自殺や暴力を引き起こすリスク

◎「統合失調症は治らない」というウソ
●企業や学校で精神医学が悪用されることも

〇一時的に症状を抑えることしかできない精神科の治療薬

〇多剤併用処方は安全か

●患者を治さないほうが儲かる構図/患者を増やさないと成り立たない日本の病院経営
●チェックリストの濫用がうつ病バブルの本質

 

●は過剰医療の具体的手法,〇は薬物依存などの薬害,◎は精神医学の非実用性と非科学性に関連する.

 

もちろん,間違ったことや不適切なことも含まれていることもあるだろうが,それはどのような本にも存在する.それよりも,これだけの項目を挙げただけでも,精神医療に存在価値はないと言えるが,精神医療はどうしてなくならないのか,または,よい方向に変わらないのか.

 

このことは,感情的でなく,冷静に考えなければならない.現代は,何かしら「お金儲け」という欲望が原動力となって,あらゆる経済活動が進んでいるのである.精神医療だけでなく,医療全体も,他の産業分野でも,存在価値はないがなくならないことがたくさんある.

 

ここで,「存在価値はないがなくならない」と言う意味は,「大衆の大半にとって存在価値はないが,一部のひとたちには莫大な利益をもたらすのでなくならない」ということである.

 

このような,利益優先の医療活動の問題をよく言い当てているのが,目次のひとつ

 

「患者を治さない方が儲かる構図」

 

この言葉の意味をよく考えることによって,現代の精神医療の劣悪さが認識できる.

 

①「患者」は特性を病気と言っているのであって,本当は病気でない可能性が大.

②「治さない」というより,治せないのが事実.

 

こうなると,平均よりも少し偏った特性をもち,何らかの困難を抱えている人々を捕まえて,「あなたは,○○障害です.これは,素質が関係しているので,薬で治療しなければならない」といって,通院を継続させ,延々と投薬を行う.すなわち,精神医療は詐欺そのものであるということになる.このような医療に公的保険を通して,過剰な公金が投入されているのである.

 

怪しげな商売ならまだしも,医療の本質は「困った人たちを助ける」ことなので,やり方次第では存在価値があるようにできるはずである.一部の人たちはそのことを主張していて,医療は,やはり「お金儲け」を第一目的としない公的なものにするしかないということが彼らの結論であるようだ.