表題の記事は4年前のものだ。記事内容の記述は、私の医療に対する基本的立場である。その立場に変更はない。

 

コロナ禍を経験して、その立場ますます揺らがない。だからこそ、表題を次のように修正する。

 

「医師のいうことを聞くのは、いかなるときもやめた方がよい。」

 

この記事の次の部分は微妙な判断を要する:

 

「何か悪い状態にあれば、医師の言うとおりにすればいいこともあるだろう。そういうときは、医師は患者のために言ってくれると思う。」

 

稀に、患者のことを考える医師もいると考えていたからこのような発言をしたが、私が今までに診察を受けた医師の中には、本当に患者のことを考える医師はいなかった。

 

1人もである。残念ながらそれが現実である。

 

この記事に記述したように、しつこいほど抜歯をすすめられた私の歯と歯茎はどうなったか。

 

歯科医は抜歯をして、その後のメインテナンスを継続して定期通院者を量産することしか頭にない。抜歯をしなかったことに対しては全く興味がない。私が初めて抜歯をすすめられたのが40代半ばだったから、それから10年以上も経つ。今の状況は・・・・

 

・見た目にはぐらぐらするような感じは変わっていない。

・痛いとか、炎症とかそのようなことは全くなくなった。

・周囲の歯が悪い影響を受けていることもない。

 

要するに、すこぶる順調で全く問題ないのである。抜歯を勧めてきた歯科医はどんな顔をするだろうか。私は次のことを身にしみて感じる。

 

「人の身体には、自己修復機能があってそれは有効に働いている」

 

何か身体に問題があって必要なのは、「医学的治療」ではない。暴飲暴食をしない、適切な栄養をとり、衛生環境を整える、それがまず必要なことである。間違っても、薬物投入などの積極的な医療介入を行ってはならない。

 

歯科のような診療科でもそうだから、ましてや、精神科や心療内科では積極的な医療介入が命取りになる。

 

10年前には1か月ストレスケア病棟に入院したことがあり、ストレスケア病棟での「ストレス」が原因で退院を希望する私に、病院側はこういう。

 

「通常は3か月かけて、集団治療プログラムに参加したりして徐々に慣れさせます。まだ早いです」

 

もちろん、このようなアドバイスを無視して退院した。ストレスケア病棟というのは、儲け主義医療の典型である。

 

その前に、入院治療に至った背景を説明しよう。

 

私は、大学を卒業する頃に、小中高の学生なら「起立性調節障害」と診断されるような状態だった。当時は、自律神経失調症と診断されたが、同時に軽症うつ病ブームだった。主治医の旧帝国大学病院勤務の心療内科医は、このブームによって、私を自分がアルバイトをするクリニックのサブスクリプション患者のターゲットにしたいと考えた。

 

この心療内科医だけが特殊なのではない。当時は、1996年の心療内科標榜認可に後押しされたクリニック開業ブームで、新しいクリニックの患者開拓に、大学病院で治療が必要なくなった人(本当に病気かも定かではない)を次々に転院させ、クリニック患者が増加していった。日本における気分障害の患者数もそれに正の相関をしながら増え続けていった。

 

このようなクリニック増→気分障害患者数増という因果関係は、抗うつ薬販売増→うつ病患者増と同様に、医療産業側の病気づくりに他ならないことは、いろいろな本で結論付けられている。一番説得力があるのは、冨高辰一郎著「なぜうつ病の人が増えたのか」(2009年)。

 

こうして、長期間の漫然診療(三環系抗うつ薬とベンゾジアゼピンの長期連用)の挙句、何の社会的支障もなかった私に、主治医は、軽症うつ病ブームの後継ブーム「双極Ⅱ型障害」をこっそり当てはめて、説明義務違反を犯してまで投薬を行っていたのである。

 

当時、製薬会社のプロモーション活動によって様々な薬が認可になっていて、それらの薬を試せば試せば試すほど私の具合は悪くなっていった。薬物の作用、副作用が原因の不調を「双極Ⅱ型障害のうつ状態」と診断していたのである。

 

一方で、自分の技術を存分に仕事に役に立てていたことを「双極Ⅱ型障害の軽躁状態」と診断していた。

 

双極Ⅱ型障害というのが、普通の人を病気に仕立てるために作られたものであるというのがよくわかる。こういうことが実際に診察室で行われていたのである。

 

現代精神医療の歴史は、ビジネス目的の病気づくりの歴史と言ってもよい。今は発達障害ブームであり、発達障害ビジネスが問題となっている。

 

精神科も心療内科も荒廃しきっている。

 

さて、私の予後はどうなったか。1か月後に退院して、2,3年ほど継続治療を続けていたが、さすがに主治医は自分の誤診に気が付くようになった。いや、最初から、治療のための診断であり、詐欺診断である。

 

ベンゾジアゼピンの連用も問題となっていたときなので、それを止めることしか頭になかった私の症状は、完全に医現病の体をなすようになっていった。この後、一切の薬物治療をやめることになる。

 

今の状況は・・・・

 

・一部の身体の筋肉の硬さは異常で、そのことによる腰痛等には困っている。加齢の影響もあるだろうが、筋弛緩作用のあるロラゼパムの長期連用などのため、筋肉の状態に問題が起こるのは間違いない。それに対して、精神的な症状はもとから存在せず、軽躁とかうつなど全く認められない。

・ラモトリギンとか強い副作用が起こり得る薬を全く飲まなくなって、副作用にまつわる不調が全くなくなった。

・軽躁とされた自分の技術力は、今でも有効で、仕事に役に立ち、効率的な業務が実現できている。

 

要するに、加齢の影響以外は、すこぶる順調で全く問題ないのである。薬物治療を勧めてきた心療内科医や入院先の精神科医はどんな顔をするだろうか。私は次のことを身にしみて感じる。

 

「人の心身機能は自己管理機能があってそれは有効に働いている。薬物投入は百害あって一利なし。」

 

過剰医療、過剰医療、・・・、過剰医療。とにかく患者が不健康になろうと関係なく、お金儲けをしたい、それが大多数の医師が考える第一選択である。断言できる。

 

「医師のいうことを聞くのは、いかなるときもやめた方がよい。」

 

医師のいうことを聞いた方がよいと思った瞬間に付け込まれて過剰医療の被害を受けることを考えると、やはりこれでよいのである。