精神医療の薬物治療をはじめとする過剰医療は,医療ビジネス主義が具現化したものである.
その他にも,ICT推進,DX推進という社会の情報化も,情報機器メーカーなどIT関連企業の営業活動の一環ととらえられる.
日本の学校教育においても,発達障害支援活動,教育の情報化,総合的な探究の時間,運動部活動も,過剰な活動が問題となっており,これらは,医療ビジネス主義やICT推進,運動部活動関連企業のビジネス主義と密接に関わっている.
医療活動やICT推進活動,スポーツ産業の活動それぞれが悪いと言っているのではなく,むしろこれらが現代の人間の生活を豊かにするものなのである.
問題なのは,それらの活動が過剰になるということである.現代の生活を豊かにすることが目的なら,医療活動,ICT推進活動などはその手段である.
目的を達成するための手段そのものが目的になってしまうことはよく知られている.このとき活動が過剰になるのである.
過剰になっても,人々に有害でないならそれはよい.問題は,有害になってしまうこと.
医療なら,薬物依存,副作用の問題,ICTならスマホ依存,機器購入やメンテナンスのコスト増,部活動なら教員の過重労働など.すべて過剰な活動がもたらす負の側面であり,使う側の問題ではすまない深刻な問題になっている.
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
昔の人はよく言ったものである.