
自宅療養中、夫と私は、常に手を握り合っていた。
結婚して17年間、毎日こんなにも夫と寄り添う時間はなかった。
改めて夫婦の絆や愛を感じた日々だった。
そして、私たちは避けられない事実を受け入れ、話し合った。
それは、夫の死後のことだった。
お葬式のこと。
葬儀の宗派のこと(私たちは無宗教派である)。
お墓のこと。
お家のこと。
子供たちのこと。
お金のこと。
クリニックのこと。
私は常に夫に付いていく立場であり、困ったときはいつも夫に相談し、意見を求めていた。
夫の希望や意見どおりにしたい。
決して楽しい会話ではないが、私たちは覚悟を決めてこれらを話し合っていたのである。
告知された余命ではあと1ヶ月もない‥。
私は余命なんか信じない。
私が必ず夫を守るんだ。
夫と一緒に、三女の誕生日を祝い、次に夫の誕生日を祝い、そして一緒に年を越し、新しい年を迎えるんだ。
私は強くそう思い描くのであった。
続く‥