はじまりの町がはじまらない
夏海 公司 著
ハヤカワ文庫JA 990円 10月の1冊目



閉鎖間近のオンラインRPG「アクトロギア」。ゲーム世界の〈はじまりの町〉で町長を務めるオトマルをはじめ、自我をもってしまったゲームキャラたちの生き残りをかけた復興劇が幕を開ける!
(ネット通販サイトhonto紹介文より)

 

へたくそなりにネタバレがあるのでこの先はご注意を。

RPGゲームはしないので詳しくはわかっていないのですが、クソゲーで利用者が増えず閉鎖が決まったゲーム内のキャラが自我を持ち、ゲーム存続をかけて奮闘するというお話。

ゲーム内のキャラがどうやって自我を持ったのか?というと、

簡単に言えば下請け業者がゲームの開発のうちのゲーム内キャラクターの行動アルゴリズムを大規模AIの機械学習システムに任せてしまったため、とんでもなく進化してしまったということらしい。(あってるのかな?)

まぁ、そこまではありがちなストーリーかなと思ったのだが、この物語では、自我を持ったキャラがゲーム存続の要件であるゲーム売り上げアップのためにゲームを創造したリアル世界をハッキングすしてしまう。

さらに、リアル世界にバレそうになると機械学習AIに罪をかぶせて、ゲームの生き残りをはかる。

最後の数十ページで物語が目まぐるしく展開して面白かったなぁ。

朴訥な中年・オトマル町長と陰の主役・秘書官パブリナのキャラクタあーも魅力的でした。

 

初めての作者なのでほかの著作を調べると、俗にいうラノベ作家さんでした。

SFにはラノベ出身作家さんは多いのですが、今後も期待したい一人です。