療育園の副園長の言葉 | 幸せな猫...felix feles...

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5歳差の男児2人を育児中。
広汎性発達障害の長男との奮闘記でもある。
実母を膵臓癌で亡くした記録も少しずつ記したい。
母方の認知症の祖母の記録も残したい。

2015年7月中旬。
地元の療育園の電話相談に電話しました。
少しだけその内容を書いたものはこちら。
http://s.ameblo.jp/felixfeles/entry-12060623102.html

市報に電話相談受付と書いてあるので、誰でも電話していいのでしょうが、ためらいがあり。
しかし、思い切って電話して本当によかった。
医者や看護師や学術的専門家ではなく、毎日子どもと生活している保育士さんのお言葉は現実的で具体的で眼差しの温かいものでした。

何に困っているの?と聞かれるので、まとめておくと相手にも伝わりやすのかも。
私は
「保育園ではお友達を泣かせることはほとんどないそうですが、ママや年下の女の子に対して、自分の気持ちと違う要求をされると手足がすぐに出て、叩く、パンチ、キック、押し倒し、羽交い締めをしてしまう。」

「保育園で、みんな集合~!と合図があっても最後の一人になるまで遊んでいる。」

と切り出した。

電話に出たのは療育園の副園長。
療育園は発達の凹凸のある乳幼児の通う幼稚園保育園。
副園長、開口一番、

「◯◯くんが、一番苦しんでいるでしょうね~。大好きなお母さんを叩いてしまって。本人も本当は叩きたくないでしょうね~。」

私が痛くて困っていたけれど、息子が一番苦しんでいるのかぁ、と胸にジーンと刺さり、涙がこぼれてきました。

以下、まとめられないので、副園長の言葉を羅列します。

・◯◯くんは自分の気持ちを表現できない。どうせ僕なんか…と自信をなくさないようにしてあげたいですね。

・暴力的になったとき、「分かっているよ。なっちゃう気持ち。」とまず受け止める。

・「でも暴力はいけないことだよね。じゃあ、どうしたらいいだろう?一緒に考えよう。」

・(暴力を本人)一人で止められないから、ママが止めてあげたよ。

という声かけを教えてくれました。

昨年度の卒園式で当時年少だった息子は初めて参加し、卒園児含めて36名ほどの参加園児の中で、たった一人、椅子の上に立ったり座ったり落ち着きがなく、保護者席に向かって「ママ~!」と何度も声をかけ、しまいには卒園証書授与中の園長に「えんちょーせんせー!」と大きな可愛い声で手を振っていた。
緊張や興奮で多動になるのかなぁと相談しました。

・事前に流れを説明しておく。
・声を出したくなっちゃったら、何があったら落ち着けそう?ポケットに何か入れておく?
・ドキドキしちゃう気持ちは悪いことじゃないよ。
・えっ?それで大丈夫なの?と本人が思うようにする。
・心配なことはある?先生に伝えておくよー。ママはお手伝いしたいんだよ。

たしかに、大人も緊張をコントロールするために、何かしら手立てを打っていますものね。


・◯◯くんは、理解力があるからママに怒られて悪いことをしてしまったと本人の中で反省で終わってしまう。小学校高学年くらいになると、どうせ僕なんか…と自尊感情が著しく低くなってしまう。
・抱く気持ちそのものを悪いことだと思わせないこと。誰にだって、ママにだって、苦手なことはある。その気持ちを伝えていこう。分かってくれる人がいることを本人が知ることが大切。
・例えば苦手な活動のとき、今日は見ているだけにしようか。見ていらたら「嫌だったのに見ていられたね。」と褒める。そうすると本人は嫌だと思う気持ちがあっても見ていればいいのかと分かる。
繰り返していくと、本人から、「◯◯は苦手だから最後でいい?」と気持ちを伝えられるようになる。

・恥ずかしい、我慢しなきゃいけない、他の人にどう思われているか…そんな気持ちでいっぱいになっているのかも。

暴力的になった時の対策としては…
・その手で自分の服をギュッと握ったらどう?と提案する。
・やりたくないのにやっちゃったんだよね、と受け止める。
・ママのどの言葉が嫌だったの?と聞く。
・僕はは◯◯と思った。ママは◯◯と思った。というやり取りをして、自分と他者の気持ちが同じではないこともあると理解するようになるといい。
・保育園でも嫌なことがあるだろうから、自分の気持ちを言えるように家でリハーサルをするとよい。

療育園での出来事。
お片づけタイムになると毎度毎度喧嘩が発生していた。
よくよく観察すると、ある子どもはすぐに片付けたい。でも最後まで遊んでいたい子どももいるので、イライラ、モヤモヤし、おもちゃを投げつけていた。すぐに片付けるのは正しいことだけど、そうしない子に対して怒りが沸いて、せっかく片付けていたおもちゃを投げつけてしまうとのこと。そこで先生は、「わかった。じゃあ、投げつけてもいいけど痛くないものにしよう。痛くないものは何だろう?」と話し合い、ハンカチ~、タオル~と本人が言ったとのこと。しまいには、「まあ、いいか」となったそうです。

・自分で感情をコントロールしていくための場所を決める。安全な部屋やスペースを用意して、落ち着いたら出てきていいよとやる。→余談ですが、今は私がこれを利用していて、感情が高ぶったら「ママは一人になります。落ち着いたら出てきます。」と和室に入り戸を閉める。心配になった息子が「ママ、もうおちついた?」なんて覗きにきますが。笑

・成功体験の積み重ねが大切。
保育園では一人でお着替えができているのに、家では親にやってーと甘える。
何からやっていいか分からないのかもしれない。下着は自分でね、とかズボンは自分でね、とか、何を着たらいいか分かるように出しておいてあげるなど、大人のちょっとした手助けも必要。
「あればできる子。なくてできない子ではなく。」

・本人の気持ちをそのままに出しちゃうと社会的に迷惑になる場合。

電車に乗って運転士を見たくて勝手に車両内を走って行ってしまう。
→「黙って行かないで。運転席に行きたいと思ったら、ママに聞いて。いいよ、と言ったら行っていいよ。行ってもいいけれど、歩いて行ってね。」

~しちゃダメではないけれど、するならルールを守ろうね。
歩いていく、ママと一緒にいく、◯◯駅から△△駅までは座ります、など。

こうやって成功体験できる回数を増やせるように配慮するのが大人にできること。

目からウロコでした。
私はダメよ、と言うばかりだったことに気付かされた。
運転士さんを見たい!という好奇心。
レジを触りたい!という興味。
その気持ちはとっても子どもらしくて大切なもの。

昨日なんて、診察で病院に行き、テレビのポケモンの時間には帰宅は間に合いそうになかった。あいにく録画も忘れていた。でも今日のテレビは何?とやはり聞いてきた息子。
見たいみたいと大騒ぎ。大粒の涙を目にいっぱい溜めて。
病院の床で暴れ、看護師さんがシールやらカーズの絆創膏をくれようとして手を出したものの返して「ポケモンみるー!」と頑固に頑張る息子。夕食どうする?と別の話題を持ちかけ、少しひるんだ隙に、手をつなぎ、帰路へ。
歩きながら息子の訴えを、そうだよね、そうだよね、見たいんだよね、ポケモン好きなんだよね、とひたすら肯定しているうちに駅につき、夫が抱っこしたら寝てました。
息子には「あなたの気持ちを尊重したいが、今は◯◯という理由でできない。」と言葉で伝えていくより仕方がないと実感したのでした。

ママやパパや先生は僕のことをダメだと思っている訳じゃないんだ。
僕は悪い子じゃないんだ。

そう思ってほしい。

すでに息子は
「僕は悪い子。ママやパパを困らせたから」と言っています。
追い詰めているのだろうなぁ。

また気持ちを新たに、息子の成功体験を増やせる工夫をしていきたいな。