聖なる夜に クリスマスの奇跡 その11 | スカイリム アサシンの日常

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ルナはプレゼントだと言って、セロに金の首飾りを渡した。

 

 

もちろんセロがアリアに返した首飾りとは違うものだ。

 

 

こちらはサファイアが嵌め込まれている。

 

 

しかし、治癒率上昇の付呪が施されているのは同じだ。

 

 

 

セロは、不思議な偶然に驚いてしまった。

 

 

 

ルナは、優秀な傭兵のセロには必要ないかもしれないけど、お守り代わりに持っていて欲しいと言っている。

 

 

その時、金の首飾りを夫に渡したソーヤの気持ちが、少し解る気がした。

 

 

誰しも、大切な人には無事であって欲しい。

 

 

考え込んでしまったセロに、ルナが大丈夫かと聞いてきた。

 

 

セロはハッと我に返った。

 

 

そして自分も渡すものがあることを思い出した。

 

 

セロはルナに、包みを渡す。

 

 

ルナが開けてみると、暖かそうな毛皮の手袋だった。

 

 

それに錬金と鍛造上昇の付呪が施されている。

 

 

しかし渡してからセロは、もしかして選択を誤ったかもしれないと焦った。

 

 

ルナはカジートだ。

 

 

もともと毛皮に覆われている。

 

 

手袋など不要なのではと思ったのだ。

 

 

ところがセロの心配をよそに、ルナは凄く喜んでいる様子だ。

 

 

寒いのが苦手だから、とても嬉しいと言ってくれた。

 

 

セロは、気に入って貰えてホッとした。

 

 

そして心からホッとしている自分を感じ、奇妙な感じがした。

 

 

 

 

以前は、他人の行動に一喜一憂などしなかった。

 

 

そもそも誰かにプレゼントを渡したことも、ほとんど無い。

 

 

今まで、そんな事に神経を削るのは、煩わしかった。

 

 

誰かと、どんなにいい関係を築いたとしても、いずれ居なくなる。

 

 

セロはダークエルフだ。

 

 

エルフ以外は、セロより先に死んでいく。

 

 

親しくなればなるほど、別れが辛くなる。

 

 

それならば、最初から親しくしなければいい。

 

 

いつからか、そう思うようになっていた。

 

 

そしていつの間にか、セロは自分の周りに高い壁を築いていた。

 

 

誰も壁の内側には、入れないようにしていたのだ。

 

 

 

ところが最近、壁を越えてくる者が現れた。

 

 

 

 

 

「シセロは、忘れていたよ。

 

 

プレゼントがあったんだ。

 

 

ひひひひ・・・・。」

 

 

 

と、また突然シセロがやってきた。

 

 

シセロにとっては、壁など最初から無かったも同然だ・・・。

 

 

 

つづく