仕事を聞かれて
「フェルデンクライス・メソッド プラクティショナーです。」
と答えると
「・・・フェルデ・・?・・何?」とよく言われます。
私がこのメソッドを知った最初のきっかけは
確か1991年、ヨーガの友達に
「おもしろいワークショップがあるから行ってみない?」
と誘われたことでした。
「最後に背中がお餅みたいにペタ~って床につくの!」
「ふーーん ・・・・??」
こと健康法に対しては好奇心旺盛な私は さっそく友達と一緒に参加。
イスラエルから毎年来日されてレッスンを教えていらした
N先生の日本語のリードで床に寝ころんでいろいろ動きました。
終わると、お餅ほどにはならなかったけれど
体は心地よく、背が高くなった感じ。
その後 気になりながらも年月が過ぎ、
2回目の参加は1999年春のN先生のワークショップ。
その時は開腹手術の後で体力が落ち、
毎日仕事をこなしていくのが精一杯の状態でした。
レッスンでは
だんだん楽に動ける範囲が大きくなっていき、
こんなに気持ちよく動けるなんて~・・と感激して
すっかり元気になった気分で帰宅。
次の日もすっきりと目覚め・・・ のはずが、
ガーン・・・首が痛くて全く身動きできない状態に・・。
少しずつ動いてやっと起き上がりましたが
元に戻るのに何日もかかりました。
先生が「心地よい範囲で」「がんばらないで」「無理をしないで」と
何回も声をかけていた時、それは他の人への注意であって、
自分では楽に動いているつもりでした。
ひどい痛みが出てきてはじめて
「がんばって」「無理をして」「無駄な動き」をしていたことに気づいたのです。
週1回の定期クラスに参加すると
「普通、それだけ痛くなると2度と来ないけど、よく来ましたね(笑)」とN先生。
「最初の頃はレッスンのあとで痛みが出るのはよくあることです。
どこか余分な力を入れたり、がんばったりするからね。
それは必ず日常生活の中から来ているんです。」
レッスンに通ううちに首だけでなく
体の慢性的な痛みやだるさなどが楽になっていきました。
痛みからの開放が私にとってこのメソッドのスタートでした。
そして体の動きだけではなく、
がんばって、無理をして、ちゃんとやらなくちゃ・・
と 本来の自分のペースを見失って
手術が必要な状態にまで追い込んでしまった生き方そのものへの
気づきにもつながっていきました。
それでもその時は
その後トレーニングコースに参加して資格をとり
会社を辞めてプラクティショナーの活動をするとは思いもよらないことでした。
今改めてフェルデンクライス・メソッドから受けた影響の大きさを思います。
トレーニングコースの同期生が
フェルデンクライス・メソッドを勉強したことについて
「一生遊べるおもちゃをもらった感じ」と言っていましたが、
ほんとうに日を重ねるごとに楽しさが増してきています。
自分をよく知ること、可能性を広げていくことに限界はありませんから。
日本ではまだまだ知る人が少ないフェルデンクライス・メソッド、
もっと多くの人に活用されることを願っています。