監査とは「組織体の活動や記録を独立の立場で検査・評価し、必要であれば改善を勧告すること」ということです。
いいかえると、監査対象部門の業務活動の状況や業務活動を行った結果としての記録の内容を調査し、適切かどうかを評価し、問題があれば指摘し改善を勧める活動ということになります。
監査には、監査役監査・会計監査のように、法律で義務化されているものもありますし、「任意監査」と呼ばれる、業務監査や システム監査は、法的に規定されずに、経営者がその必要性を認識して行なわれているものもあります。
どの監査でも 最大のポイントは「独立性」です。実際に業務活動を行い活動記録を残している業務部門から、分離・独立した組織が行う検査・評価だということです
ここではシステム監査についてのべます。
システム監査とは「会社の情報システム環境の信頼性、安全性、効率性について監査する」ものです。
経済産業省が公表している「システム監査基準」(http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/systemauditG.htm)では
「監査対象から独立かつ客観的立場のシステム監査人が情報システムを総合的に点検及び評価し、組織体の長に助言及び勧告するとともにフォローアップする一連の活動 」と定義されています。
システム監査基準の中でで注目すべきは3つのポイントです。
● 信頼性・・・・・・・・・・・情報システムの品質並びに障害の発生、影響範囲及び回復の度合
● 安全性・・・・・・・・・・・情報システムの自然災害、不正アクセス及び破壊行為からの保護の度合
● 効率性・・・・・・・・・・・情報システムの資源の活用及び費用対効果の度合
また、コンサルティングと監査の一番分かりやすい違いは、コンサルティングは対象部門と一緒になって分析・調査を行い、結果および提案を対象部門の責任者に報告するのに対し、システム監査人は対象部門を調査した結果を、監査依頼者(多くは経営者)に報告するということです
システム監査を進める方法としては、大きく分けて「計画」「実施」「報告」の3段階で行われ、さらに8つのステップに分かれます。
「計画」においては、次の2つのステップが行われます。
(1)事前計画・・経営トップの意向、会社の経営および情報化の課題などを調査し、監査の目的、対象、テーマを明らかにする
(2)監査計画・・監査の実施および報告の実行計画である「監査個別計画」を策定。具体的には「システム監査基準」をベースに、自社の実態・ニーズを加味して、自社としての監査基準を設定します。そして、監査基準に照らして評価を行うために、何をどのようにして調査するかという監査項目・監査手続きを設定します。
「実施」の段階では、(3)予備調査(4)本調査、そして「報告」のための(5)監査報告書の作成が行われます。
(3)予備調査・・管理者へのヒアリングや資料の確認によって、監査対象の実態を概略的に調査し、本調査で調査する項目、確認すればよい項目の選別を行います。必要であれば監査個別計画の修正も行います。
(4)本調査・・監査個別計画で設定した監査項目・監査手続きに従って調査を行い、「監査証拠」の確保に重点をおきます。単に見聞きしただけの情報では、監査証拠にはならないので、ヒアリング、現場調査、資料(文書や記録)の入手と内容確認、質問票などがよく使われます。
(5)監査報告書作成・・監査証拠を確認・分析・評価し多結果を、「システム監査報告書」の原案として作成します。監査報告書には、監査の実施状況、監査個別計画で設定した監査テーマについての「評価」「改善事項」(改善が必要な事項)とそれに対する「改善案」を記述します。
「評価」には、良い点も含め、「改善事項」には優先度を設定し、必ず、システム監査人が考える改善案を付けなければいけません。
監査報告書をもとに、最終段階「報告」として(6)意見交換会(7)監査報告会 を行います。
(6)意見交換会・・システム監査人と被監査部門が一緒になって情報システム環境を良くしていくことを目的とするシステム監査の特徴的なステップです。
監査報告書の原案を基に、「被監査部門」(監査を受けた部門)の代表者と意見交換です。監査報告書の記述内容に事実誤認がないかどうかの確認であり、監査報告書の内容について、被監査部門の意見を聞きます。
(7)監査報告会・・(6)の結果を踏まえて、監査人は監査報告書の最終版を作成し、組織体の長(一般的には経営トップ)に監査報告を行います。
システム監査は監査報告で終わりではありません。
改善が実施されて初めて、システム監査の目的が達成されるので、最終ステップとして(8)フォーローアップが行われます。
(8)フォーローアップ・・システム監査人として、改善の実施状況をモニタリングするとともに、改善の実現をシステム監査人の立場で支援する取り組みです。
(このステップは (6)意見交換会とともに、システム監査の特徴的なステップです)
