ア.A,C,E イ.A,D ウ.B,C,E エ.B,D
【解答と解説】
アローダイヤグラムは、PERT(Program Evaluation and Review Technique)とも呼ばれ、もともとは、アメリカ海軍がミサイルの開発計画を実施するために開発された日程計画の手法です。
まず、問題文の図をみながら アローダイヤグラムの 意味から説明しましょう。
〇印を→で結んでいます。
この→が、作業(もしくはアクティビティ)とよばれ、別の作業との区切りを結合点もしくはイベントと呼ばれる〇の間を結びます。
→の近くに所要時間や所要日数を書くことで、日程の管理を明示的に行います。
アローダイヤグラムの図のルールの中で特に注目すべきは、
・どの作業もその前の結合点に入る作業がすべて終っていないと、その作業にとりかかれない
・結合点は、そこから出て再びその結合点に戻る作業経路を持ってはならない
・並行作業がある場合は、ダミー作業(点線矢印 作業日数0)を用いて表現する※この問題では出てきません。
です
そして「アローダイヤグラムを読み解く」とは、次の4つの値を得ることができることを言います。
- 最早結合点時刻
- 最遅結合点時刻
- 余裕日数
- クリティカルパス
最早結合点時刻とは、それぞれの結合点で 最も早く作業が開始できる日(時間)のことです。基本的に前の最早結合点時刻+作業時間で求めます。
しかし、複数の作業が入ってくる結合点が存在します。
その場合は、その中で最も日数の大きいものを最早結合点時刻とします。
最遅結合点時刻とは、それぞれの結合点で終了時刻を遅れることなく開始できる最も遅い日数(時間)のことです。つまり、少なくともこの日までに作業を開始しなければならない日(時間)のことです。
最早結合点時刻はスタートの結合点(左端)から求めましたが、最遅結合点時刻はゴール(右端)の結合点から順に求めていきます。
基本的に右の最遅結合点時刻-作業時間で求めます。
余裕日数とは、その作業開始における余裕がある日数のことです。余裕日数は、最遅結合点時刻-最早結合点時刻で求めます。
例えば最早結合点時刻が5日、最遅結合点時刻が12日なら、作業開始に7日の余裕があると考えることができます。つまり、7日までの作業の遅れが許される状況ということです。
この問題では Fの作業開始に 1日余裕ができるということになります。
そしてクリティカルパスを考えます。クリティカルパスとは、作業に余裕がない経路のことです。
余裕日数が0の地点を結んだものがこれにあたります。
ここで問題にかえりますと
「作業の幾つかを1日ずつ短縮することで、プロジェクト全体を2日短縮できる」
作業の組み合わせを考えることになります。
各作業では1日しか短縮できませんので、2日短縮するには、少なくともクリティカルパス上の2作業を 1日ずつ短縮する必要があります。
つまり、BCDの作業のうち2つが含まれる組み合わせをさがします。
そうすると、 ウ(B,C,E) と エ(B,D)の どちらかということになります。
ウの場合、Dの作業に移る前に B→C なら 2日短縮でき、この工程が5日となりますが、Aの作業が6日かかるため、全体では 1日の短縮にしかなりません。
エの場合、B→C は 6日間 Aの作業も6日間 Dの作業が1日となるため 7日間の工期(2日短縮)が達成できます。
さらに、B→E→Fの工期でも1日短縮され 7日間の工期となるので、「全体を2日圧縮できる組み合わせ」に値します。
【解答】エ