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マスカットが好きです。
味だけではなく見た目も香りも。
濃厚な黒葡萄の甘さも魅力ですけれど
香り立つマスカットには
その色や透明感も相俟って
清々しい華やぎを感じるのです。
子供の頃、祖父母の家で、夏になると、
到来物の巨峰を頂くことがありました。
裕福な家ではありませんから
ひと夏に一度か二度、ですけれど(笑)
そのせいか
巨峰には今も
鄙びた夏への郷愁を感るのです。
マスカットのイメージはそれとは違っていて。
マスカットを子供のころに食べた経験って
ほとんどないのです。
印象に残っているのはやはり祖父母の家。
一度だけ、やはり到来物だったマスカットを
祖母が出してくれました。
マスカットの印象は
子供心にも清冽で洗練されていて。
こんなきれいな果物があるなんて…
そう思ったものでした(笑)
大袈裟な、とお思いでしょうね。
なにぶん
田舎の、貧しい家の子供の感想ですから
仕方がないのです(笑)
その後もマスカットはわたしの生活の中にあっては
なかなか手の届かない高根の花でした。
(悲しいかな今も、実はそうなのですが(笑))
けれども。
炭酸飲料や缶チューハイの類でしたら、
マスカットの垣根も随分低くなります(笑)
昔「美炭酸(美発泡) 白葡萄」という名の
缶入り炭酸飲料がありました。
一度飲んだだけ、なのですが
美味しかったことを
今も、覚えております。
正しい商品名も、まして発売元も思いだせないのが
申し訳ないのですが(笑)
MRI検査を受けに行った
帰りに飲んだ、という幽かな記憶があるのです。
記憶障害のある時期のことですから
間違って覚えているのかもしれません。
ただ、
今にして思えば
それが大人になってから
白葡萄のフレーバーの魅力を再認識する
きっかけになったような気がします。
今も
フルーツ・フレーバーの中で、
ということでしたら
白葡萄のフレーバーが好きです。
フレーバーはテイストとは違って
香りとイメージが
(あるいは香りのイメージが)
好き嫌いの決め手になる、そんな気がします。
人工的(薬品のような)な匂い、と感じると
興が覚めてしまうのは
イメージ、雰囲気を楽しんでいるから、
そんな気もします。
気のせいかもしれませんけれど(笑)
缶チューハイにも
白葡萄のフレーバーを用いたものがありますね。
アサヒ「Slat(すらっと)」白ぶどう
TaKaRa「おいしいチューハイ」白ぶどう
サントリー缶チューハイ「こだわり果樹園のお酒」白ぶどう
キリン 「氷結 アペリティフ」白ぶどう & レモン
簡単に検索してみただけでざっとこれだけ。
飲み比べをしてみたら楽しそうです(笑)
わたしが今まで頂いた缶チューハイの中で
一番に推したいのは
キリン「氷結 シャルドネスパークリング」でした。
氷結が好きなのです(笑)
こちらは特に美味しかった…という気がするのは
シャルドネ、の名の後光に
多少
目が眩んでいるのかもしれません(笑)
けれどもそれを差し引いても
好き、そんな気がします。
白葡萄のフレーバーとテイストの魅力には
抗いがたいものがあるようです(笑)
そういえば
フレーバーとテイストって
似て異なる概念、なのでしょうね。
フレーバーは風味、
テイストは味わい、
そんな気がします。
例えばオレンジの香料を使った紅茶なら
オレンジ・フレーバー(ド)・ティー
オレンジの果汁を搾った紅茶なら
オレンジ・テイスト(テイスティッド)・ティー
そんな気がするのですが、…定かではありません(笑)
(英語もどきも定かではありません、ごめんなさい)
アイスティーにオレンジのスライスを添えれば
オレンジの皮の香りも加わって
オレンジ・フレーバーティ、ということになりそうです。
昔好きだった喫茶店には
そんな紅茶があったのですけれど
メニューには簡単に
「アイスティー」と記されていました。
その頃
一級下の異性とその店でアイスティーを頂いたことがあります。
勘定を持つよう求められ、
好きな店でみっともなく揉めるのが嫌で
同意しました。
しかし。
想定外の展開に判断が狂っていたのでしょう(笑)
その人がレジに立っているところに
あとから追いついて
現金を渡す
という気の利かない振る舞いをしたものですから
当たり散らされました(笑)
レジで恥ずかしい思いをしたものですから
その喫茶店に行ったのはそれがさいごになりました。
自分のテリトリーには
気心の知れた人だけを案内した方がいいかもしれない、
そんな教訓を得た一件でした(笑)
オレンジのフレーバーで
今も
思い出す
苦い思い出です。(笑)
マドレーヌに限らず
香りはやはり記憶を辿る縁になるのでしょうか。
大切な思い出も、
苦々しい記憶も、
香りを思い出すのにつれて、
自然に、あるいは否応なく蘇ってくるようです(笑)
黒葡萄の香りは夏の田舎のノスタルジー
白葡萄のフレーバーは遠い憧憬
オレンジ・フレーバーは後悔の名残
そんな思いがあるのですが(笑)
それぞれに好きなフレーバーなのだけれど
思い出すイメージに陰りのない
白葡萄を一番に推したいと思います。