
私は一所懸命派!
本文はここから一所懸命か一生懸命か。
いつも、「一所懸命」を使います
そう、申し上げたいところなのですけれど(笑)
実は書き言葉の場合両方使っております。
ある、特定の作業に
精神集中するような状況で「一所懸命」を
毎日、継続的に、熱心に
ある作業をするような状態で「一生懸命」を
使う傾向があるような気がします。
「蛙が一所懸命に柳の枝に跳びつく」
「受験生が毎日一生懸命に勉強する」
という感じでしょうか。
(唐突な例文でごめんなさい)
一所懸命は一定時間内の意識集中、
一生懸命は一定期間内の持続的努力
そう言い換えてもいいような気がします。
なぜそんな使い分けをしたくなるのか…
多分「一所」という漢字から、
「一点集中」というニュアンスを
「一生」という漢字から
「長期持続」というニュアンスを
勝手に感じ取ってしまうせい、
そんな気が、いたします。
言ってみれば
根拠のない思いこみ、なのですが(笑)
ところで。
投票結果を拝見すると
「一所懸命」を使う:「一生懸命」を使う=1:3
くらい、なのですね。
ひょっとすると
一所懸命よりも
一生懸命の方が言いやすいのではないか、
それが
この結果に反映しているのではないか。
そんなことをふと思いました。
と、申しますのは。
恥ずかしいことなので黙っていたいのですが
黙っていては話にならないので
晒すことにいたしますが(笑)
普段、「一所懸命」というつもりで
「いっしょけんめ」
と言ってしまうのです。
「いっしょけんめい」、発音しにくい気がするのです。
「いっしょ」と「けんめい」」のバランス上。
「一所懸命」
ひとつのところにいのちをかける。
字面はよいのですが(笑)
「いっしょうけんめい」、こちらは言いやすいい感じがいたします。
すくなくとも「いっしょうけんめ」という
舌足らずな発話をしてしまう危うさは
あまり無いような気がいたします。
すなわち。
「一生懸命」をお使いになる方が多いのは、
発音しやすさも影響している、
…ということなのでしょうか?
それとも
「いっしょけんめい」が発音しづらいのはわたしだけ、
「一生懸命」は
発音のしやすさから選ばれているわけではない
…のでしょうか(笑)
さて、
発音しやすさが理由で、「一生懸命」のほうが
よくつかわれる、のではない、
となると。
「一生懸命」のニュアンス、意味合いの方が
しっくりくる、というのが時代の趨勢
ということになるのでしょうか?
「一生懸命」
いっしょういのちをかける。
「人生はギャンブルだ」という感じにもとれますが
そう言うニュアンスの言葉でないことは
明らかです(笑)
余談ですがわたしの友人は
「もうパチもマージャンも止める、
なんとなれば人生そのものが賭けだから」
そう嘯いて賭けごとから足を洗いました(笑)
これは極端な事例ですが(笑)
一生を賭す、命を懸ける、
それくらいの
強い気構え、意気込みを以て事に当たる、
そんなニュアンスを込めて
(「一所懸命」ではなく、「一生懸命」を使う、
そんな場合が多い、のでしょうか。
一所懸命から一生懸命へ。
時代とともに
使われる言葉の形がかわっていくとき
形の変化に伴い、
言葉の意味やニュアンスも
時代を反映して変わっていくのでしょうか。
あるいは。
一所懸命から一生懸命へ。
時代の変化とともに言葉の意味が変わり、
新しい意味に、
よりしっくり馴染むような
漢字が使われるようになっていったのでしょうか。
言葉の変化は
形が先か意味が先か。
分かったら面白い…ような気がいたします。
因みに
。「一所懸命」は14世紀、『太平記』に用例があり
「一生懸命」は18世紀、近松門左衛門の浄瑠璃『丹波与作』に
用例がある、とのことです。
(BIGLOBEで聞きかじってまいりました(笑))
18世紀にはもう、
「一所懸命」ではない使われ方があり、
「一所懸命」では表せない心の状態があった
のだろうか…
そんな気がしてまいります。
ともあれ。
秋の夜長、
言葉の移り変わりなどを振り返りつつ、
今後、なるべく「いっしょけんめ」と訛らずに
「いっしょけんめい」と発音したい…
ような気がしてまいりました、
これから毎日、
一生懸命気を付けて発音する所存にございます(笑)