遅い午後の、
まだ日暮れには遠い、埃っぽい時間だった。
猫寄セ(家人1)は引っ越しの疲れと暑さに苛立ち、
自分は疲れと不安に気力を無くしていた。
雉虎猫が右腕に怪我をし、痛ましい様子で帰宅した。
雉虎猫は穏やかに微笑んでいるような表情をして
広く開いた窓越しに自分を見上げた。
自分は、
「雉!」
と、呼びかけ、駆け寄った。
雉虎猫は静かな、優しい様子をしていた。
猫寄セは
「この大変な時に何をしているのか」
と、声を荒らげた。
猫寄セの言うとおりだった。
生活の見通しは立たず、頼る人ももはやいないのだった。
引っ越し作業さえいつかたづくとも知られない様相だった。
自分は雉虎猫の背を撫でながら打ちのめされた思いで鳴いた。
もはや逃げ道はない、自力でやっていくしかないのだ
…というところで目が覚めた。
(2010年8月20日 午前1時17分)
珍しく微熱もなく、寝汗もかいていなかった。
妙にはっきりと目が覚めてしまった。
なぜか久しぶりに頭痛が収まっているせいかもしれない。
(足と膝の具合、何とかならないものかと思う。)