表に出ると、夏の陽射しで一瞬目がくらみそうになりましたが、家の中の臭いから解放され、深呼吸して気持ちを落ち着けました。

「どうや兄ちゃん、どうやった? なんとかなるか?」

ご遺体を確認したという先ほどの男性が、大きな声で問いかけてきました。

「オッチャン、こら無理や、なんともならん」

滝沢さんもそれにハイテンションで応えます。

「そうか、無理か! なんともならんか! ほなしゃあないな! ワハハハハハ」

と、おじさんの方も負けじと高いテンションで返してきます。しゃあない、では済まないのですが、その場にいた全員が爆笑の渦に巻き込まれました。あまりの現実感のなさと、強烈な腐敗臭にみんな頭のネジが緩んだんだと思います。

不謹慎極まりないのですが、誰も笑いを止められませんでした。

女性の方たちも手を叩いて笑っています。

「いやあ、ちょっと待ってください。とにかく、応援を呼びます。それと棺は決まりましたか?」

おじさんは僕が渡したカタログを開いて愉快そうに、なんの装飾もない一番シンプルな棺を指差しました。

僕は携帯電話を取り出し、田上係長に状況を報告して、棺とドライアイスと納体袋、それにプラスチック手袋と人員を3、4人頼みました。


以下、続きます。