PARLEZ-MOI D'AMOUR   | つよくやさしくうつくしく

つよくやさしくうつくしく

つよくやさしくうつくしく。そうありたいものです^^

ヨーロッパの街並みを模して造られた慣れない小道を時間つぶしに歩いていたら香水屋さんを見つけた。何百もの香水がきらきら並んで何百もの香りが混じり合った空間。

香りにまで気を抜かないで着飾った美女が何百もの花が活けられた部屋に何百人も集まったらこんな香りかもしれない。

新しい香りをずっと探していた私は迷わず香りに吸いこまれた。


その部屋で私を迎えてくれた美しい女性は、私のイメージだとダイナマイトのボトルに入ったクールな香りを提案してくれてそれはそれで鋭いと思ったけど、少し話すと私が甘さも好むことを理解してくれて、でもただ甘いだけじゃなく濃厚さと個性に過ぎるスパイシーでオリエンタルなねっとりとしたピンクの液体のTOP NOTEとLAST NOTEを私に嗅がせてうっとりとさせた。


その香り・・私の理想とする女性を凝縮させたようなその香りは好きだった人を思い起こさせて、そんな香りを常に体にまとうことはつらいことかもしれないけど、女は叶わぬ想いに渇えている方が野性味溢れて魅力的だと思いなおして私はそれに決めた。


美しい女性がその香水の一部をアトマイザーに移し替えてくれている時「つけていきますか?」と私の手首にピンクをひと吹きして、その瞬間、流れていたBGMが終わり新しい曲に代わって、その特徴的なイントロが彼の好きだと言った曲だと気付いた私は濃いピンクの霧の中で嗅覚と聴覚を同時に侵されて目眩がした。





つよくやさしくうつくしく-IMG_0251.jpg




そのリズムに軽く乗りながら他の香りを試していると「気になる香りはありましたか?」と聞かれたから、もうひとつ彼に似合いそうな香りを指差すと「それ私のイチオシです」と共犯者じみた笑顔を見せた彼女があまり若くはないことに初めて気付いた。


女性の靴で有名なそのブランドの香水は、女性向けにも関らず男性に人気だという。でもそんな香り、男性は自分で買うものじゃない。甘い中にもどこか中性的なその香りは、特別に女性的な女性から贈られるに違いない。


そのサンプルも一緒に、私の新しい香りは小さくて上品な紙袋に入れられた。



「またぜひお待ちしております」に「もちろん」と応えて、この今日の感謝を彼女に伝えた。探していた香りを私に示してくれたことに対する深い感謝の意を。

うれしそうに笑った彼女を見て、こんな彼女がいればいいのにと思った。何百もの香りに精通して、日々きらきら輝く小さな部屋できらきらと輝きながら仕事をする彼女がいるというのはどんなに気分がいいだろう?もし私が男だったら。もし私が男だったら。。すぐこの場で彼女を口説くのに。世の中ままならないことが多すぎる。うんざりするくらいに。



それでも私は幸せ。小さな瓶に入った少しのピンクが、私に幸せをくれる。




つよくやさしくうつくしく


Gohn Galliano PARLEZ-MOI D'AMOUR  「聞かせてよ 愛の言葉を」