芥川賞を受賞した小説『コンビニ人間』
この物語を一言で表すと
“辛辣な喜劇”
僕は自身と照らし合わして共感するところが多かったこともあり、楽しく読めました
感想を話すと長くなるので、今回は印象に残った言葉をランキング形式で書き留めます
◇コンビニ人間 印象に残った言葉ランキング◇
【第3位】
『―(中略)―私は明日、また働くために、目の前の餌を身体に詰め込んだ。』――
主人公の古倉さんの心中の言葉
彼女はコンビニで働くためだけに生きているような人で、生活は基本コンビニ中心
彼女にとっては、食事も美味しく楽しく食べるのではなく、ただ栄養を摂取するためだけの“作業”に過ぎない
本作中では、主人公の古倉さんは奇異かつ面白おかしく映るのですが、この場面の様子は実際多くの現代人の現状とそう変わらないということに気付きました
【第2位】
『そうか。叱るのは、「こちら側」の人間だと思っているからなんだ。だから何も問題は起きていないのに「あちら側」にいる姉より、問題だらけでも「こちら側」に姉がいるほうが、妹はずっと嬉しいのだ。そのほうがずっと妹にとって理解可能な、正常な世界なのだ』――
注:姉=古倉さん
(場面:恋愛に一切無関心な古倉さん[姉]が同棲をしたことを耳にした妹が、姉の家に来たとき、実は同棲は恋愛感情の発露ではなく社会的な利益[世間から“普通”の目で見られること]のためにしていたということを知り、呆れ泣きじゃくっているところ)
長いですけど、この感覚ってふと、ただ漠然と感じたりすることがあったので、よくも言葉で明快に表せたものだなと感心してしまいました
【第1位】
『「気が付いたんです。私は人間である以上にコンビニ店員なんです。―(中略)―」』――
この言葉は衝撃的でした
この言葉に出会うためだけに本を買っても、なおあまりある価値があるくらい僕にとっては糧になる言葉でした
普段はつい
世間(社会・家庭・周囲)から求められる、期待される自分=人間
を演じ続けてしまいがちですが
ありのまま本当に望むことをする自分=コンビニ店員
として居る方がよっぽど楽しく、自然で、窮屈な思いをすることなく生きられる
そんなことに気付かせてくれる1文です
――あわせて最後に
仏教に
「衆生所遊楽(しゅじょうしょゆうらく)=この世は衆生が遊び楽しむ所」
という言葉があるように
また歌手「藍坊主」の曲『伝言』に
““人は苦しむために生まれたんじゃない 人は幸せになるために生まれた””
という言葉があるように
周りの期待に応えようとし過ぎず、本来の『楽しむ』という目的を忘れないで生きていたいものです
なんだか少し固い感想になってしまいましたが、実際意外と笑える本なので、ぜひとも気分転換にでも読んでみてください(^^)