Odyssey's bible 第四節
第四節 伝説の叙事詩
強い日差しを恐れて、ゆっくりと瞼を開き、ベッドから降りる。
ルティは…チェックアウトしに行ったのだろうか。荷物が見当たらない。
さっさと支度をして、下に降りるか。
「あっ、アゼルさん。」
予想通り、ルティがいた。
「もうチェックアウトは済ませました。忘れ物は無いですか?」
相変わらず手際の良い娘だ。
「ああ、大丈夫だ。」
確認もせずに言う。
「では、行きましょうか。」
宿は大通りでも一際目立つ所にある。
その周りに様々な店が並んでおり、広場となっている。
「…さて、これからどうするんだ?」
広場の噴水のすぐ近く、落ち着いて話せそうな場所で尋ねる。
「…アゼルさんが手伝ってくれたおかげで、お金は用意できました。これから私はまた、やるべき事があるので…」
「………俺もやるべき事があるんだ。………記憶を取り戻したい。」
「………やっぱり。」
「……………ここでお別れだな。」
「………そうですね。また、いつか会えると良いですね。」
「じゃあ、その時まで、な。」
アゼルは、ルティより先に振り向き、歩き出す。
「短い間だが、世話になったな…」
…さて…、まずは買い物だな。
まずは宿のすぐ近くにある、 「武の博物館」 と、書かれている武具屋と思しい店に入る。
…にしても、多い。博物館の名も伊達ではない。
入口の両側からショーケースの列。それに伴い人の列。
刀剣、槍に戟、斧、弓、ボウガン、錫杖、双節棍や三節棍、九節鞭まである。
「えらい、マニアックな武器もあるな…。使う奴いるのか?と言うか何で俺は知っているんだ?」
とりあえず、手頃な長剣を一本、動きやすい脚絆と、薄いが頑丈な胸当てを購入し、武具屋を後にする。
「まぁ…、後はもう揃えてあるからな…。………さて、と。」
アゼルは、腰に提げたポーチから、巻かれた地図を取り出し、広げる。
アルバニア周辺地方の地図だ。
「………当ては無いからな……。適当に旅をすれば、その内、何か思い出してくるだろう。」
ならば目的地はすぐに決まる。
―――日之本国。「倭国」などとも呼ばれている、比較的小さな島国だ。
他国との交流が少なく、独特な文化を築いている。
王都から出ている飛行船を使えば港町にはすぐに着く。だが、急ぐ必要もなければ、お金を使う必要もない。第一、歩いても大した距離ではない。
と言うわけで、陸路で日之本を目指すことにした。
「ふぅ………。」
と、アゼルは軽いため息をつき、悠々とした足取りで歩き出す。
“Odyssey”の始まりである…。
強い日差しを恐れて、ゆっくりと瞼を開き、ベッドから降りる。
ルティは…チェックアウトしに行ったのだろうか。荷物が見当たらない。
さっさと支度をして、下に降りるか。
「あっ、アゼルさん。」
予想通り、ルティがいた。
「もうチェックアウトは済ませました。忘れ物は無いですか?」
相変わらず手際の良い娘だ。
「ああ、大丈夫だ。」
確認もせずに言う。
「では、行きましょうか。」
宿は大通りでも一際目立つ所にある。
その周りに様々な店が並んでおり、広場となっている。
「…さて、これからどうするんだ?」
広場の噴水のすぐ近く、落ち着いて話せそうな場所で尋ねる。
「…アゼルさんが手伝ってくれたおかげで、お金は用意できました。これから私はまた、やるべき事があるので…」
「………俺もやるべき事があるんだ。………記憶を取り戻したい。」
「………やっぱり。」
「……………ここでお別れだな。」
「………そうですね。また、いつか会えると良いですね。」
「じゃあ、その時まで、な。」
アゼルは、ルティより先に振り向き、歩き出す。
「短い間だが、世話になったな…」
…さて…、まずは買い物だな。
まずは宿のすぐ近くにある、 「武の博物館」 と、書かれている武具屋と思しい店に入る。
…にしても、多い。博物館の名も伊達ではない。
入口の両側からショーケースの列。それに伴い人の列。
刀剣、槍に戟、斧、弓、ボウガン、錫杖、双節棍や三節棍、九節鞭まである。
「えらい、マニアックな武器もあるな…。使う奴いるのか?と言うか何で俺は知っているんだ?」
とりあえず、手頃な長剣を一本、動きやすい脚絆と、薄いが頑丈な胸当てを購入し、武具屋を後にする。
「まぁ…、後はもう揃えてあるからな…。………さて、と。」
アゼルは、腰に提げたポーチから、巻かれた地図を取り出し、広げる。
アルバニア周辺地方の地図だ。
「………当ては無いからな……。適当に旅をすれば、その内、何か思い出してくるだろう。」
ならば目的地はすぐに決まる。
―――日之本国。「倭国」などとも呼ばれている、比較的小さな島国だ。
他国との交流が少なく、独特な文化を築いている。
王都から出ている飛行船を使えば港町にはすぐに着く。だが、急ぐ必要もなければ、お金を使う必要もない。第一、歩いても大した距離ではない。
と言うわけで、陸路で日之本を目指すことにした。
「ふぅ………。」
と、アゼルは軽いため息をつき、悠々とした足取りで歩き出す。
“Odyssey”の始まりである…。