北朝鮮が水爆実験に成功したと発表した。
北朝鮮の持てるリソースから見て、その真偽の程は誠に疑わしいものではあるが、世界はこのニュースに大きく反応をしている。日本のメディアも近隣国の脅威として大きく取り上げているが、この暴挙(ブラフ?)の背景は米国や日本・韓国への威嚇というよりは、中国に対してのメッセージではないだろうか。
最近、韓国が中国に擦り寄り、中国もそれを嬉々として受け入れていることに対する警鐘のように見える。言わば、中国に対し踏み絵を突きつけたというのが今回の背景と感じるのである。北朝鮮の経済状況から見て、中国の支援なしには国民生活を維持できないのは明らかであり、中国が韓国と密着するということは、半島で対立する北朝鮮にとって自国の存立を危うくする事態であろう。これまでキム王朝2代にわたって、世界秩序に弓を引く危険国家として振舞うことで、それを抑制するという立場を中国に与えてきたのではないか。中国はそれを国際的に自国の立場を強化する手段、つまり北朝鮮の暴挙を抑えることができる唯一の国家として、国際社会で平和維持に貢献しているという金看板を掲示できてきたのである。言い換えれば、中国はこの看板代として北朝鮮に経済援助を続けてきたと言えるのではないか。
その中国が、経済発展を遂げたことで自国の実力(金力)で国際社会で存在感を得て、今や米国と太平洋を二分しようとまで公言するようになった。今や中国にとっても、北朝鮮は自国のステイタスを補強するツールではなくなって、足手まといになってきたのであろう。この背景の下で、朝鮮半島を自国の支配下に収めるために、韓国を抱き込もうと方向転換してきたのではないかと思う。そうならば、ここ数年の北朝鮮に対する冷遇と韓国に対する厚遇の対比に、説明が付くのではないだろうか。
何れにしろ、今回の水爆実験については実体は疑わしく、日本にとって大きな脅威と看做す必要はないであろうと考える。むしろ中韓関係の今後にどう影響するかを見極めることの方が我国の関心事とすべきであろう。
2016/1/7 20:00