年末、実家で紅白歌合戦を見るのが恒例です。
寺尾聡さんお変わりないですね～
相変わらず、渋～い
レコード持ってました（笑）
そんな紅白を見ながら
妹と懐かしい出来事を思い出しました。
大昔の話です。
ＴＶでザ、ベストテンが
やってる時代だったから1980年代。
私が中学生頃の話です。
時は、サザンが「いとしのエリー」
をリリースしたくらいでした。
貧しかった我が家は
自分専用のラジカセが
買って貰えませんでした。
（兄は買って貰っていた）
妹がもらったお年玉で
ダブルデッキのラジカセが
買いたいって言ったんです。
昭和って、
これをＴＶのスピーカーに近づけて、
ベストテンで推しの曲を録音するんですよ(笑)
だから、途中で黒柳さんの声が入ったり、
母親の「早くお風呂入りなさい！！！」
って激おこ
の声が入りこんだりしてさ、
やだ思い出した。ウケる
今の時代では考えられないくらい。それが昭和。
話がそれました
そんな時代だったものでね。
ラジカセ欲しくない訳がないのです。
親は商売で忙しくて、
「電気屋に連れて行って欲しい」
なんて頼んでも、
簡単に連れて行って貰える訳もなくて…
商店街の電気屋さんは、
当時、定価の販売しかしていなかった…
絶対足りないよね？お年玉じゃ…
だから私達、大冒険に出る事にしました。
学校から帰ってきたら、
駅前の「石丸電気」(懐かしいっ)に行く。
二人で。
中１の私と小学校低学年の妹で、
バスに乗るのです。
しかも大きなターミナル駅前の歓楽街。
ドキドキでした。
警察に補導されたらどうしよう…
と思いました。
でも何事もなく石丸電気に到着。
石丸電気では、
私達の目論み通り、
地元の電気屋さんより、
だい～ぶ安かった。
どれにしよう？って迷って迷って、
ようやくお目当てのラジカセをゲットし、
石丸電気を出た頃には、
日がトップリと暮れていました。
チョッと迷いすぎた
１月なんでね、雪国の日は短いのです
５時過ぎ、帰りのバスに乗り込みました。
駅前のオフィスから出て来た人達
でバスはギュウギュウでした。
そこに乗り込む
親のいない少女二人組…
だいぶ違和感があったのでしょう…
ある、おじさんに声を掛けられました。
「二人でどこ行って来たの？」
「石丸電気」
「これ買って来たん？」
「うん！」
「これで何聞くん？」
「えっとね、ベストテン録音するん！」
「サザンとか録音するん？」
「うん！サザンもする！」
そんな会話をした後ね、
声をひそめてオジサンが言ったのです。
「俺ね、サザンのオヤジ」
えっ？？
最初意味が分かりませんでした。
そしてオジサンがコートの内ポケットの
刺繍を見せてくれました。
『関口』と書いてありました。
中学生の私には、
分からな？？？過ぎて、何の事やら…
名前は「桑田」しか知らなかった(笑)
でもね、なぜか、奇跡的に思い出しました。
たしかサザンにウチの県出身の人がいたかもしれないって事。
しかも、そのバスの行先は「水原」行でした。
そしてこの顔(笑)
どことなく似ていたんですよ。おじさんが。
サザンの関口さんに。
「あっっ？
」
これマジだ！と思いました。
そして嬉しそうにオジサンが言ったんです。
「そっかー！サザンとか聞くかぁー」
「そっか、そっか。」
しかしさ、「サザンのオヤジ」って…
分からんて。
ムクちゃんパパ。
私最初、あやしいおじさんに話しかけられた！
と思っちゃったんよ。
きっとムクちゃんパパ、
お年玉でラジカセ石丸電気で買って来た
私達みて、察して、
聞きたくなっちゃったんだと思うんだよね、
音楽よっぽど好きなんかな？
これでサザンも聞いてくれるんかな？
って。
そして、私達が降りるバス停で、
満員のお客さんに、
「この子たち、降ります!」
って大きな声で言ってくれて、
お客さん掻き分けてバスを降りる事が出来ました。
それで言ったんです。
「気をつけて帰るんだよ」
って。
今でもあの優しそうな笑い顔を
思い出せます。
今年、妹と紅白見ながら、
この話で盛り上がりました。
子供二人でバスに乗って大きな町に行く事、
ＴＶをスピーカーから直接録音する事、
こんな田舎の地方都市で、
ビックスターのお父さんに話しかけられた事、
なんか色々昭和過ぎて笑えました。
そして私が無類のサザン好きなのも、
この経験が無関係では無い気がしています。