ときには誰かを

知らず知らずのうちに

傷つけてしまったり

失ったりして初めて

犯した罪を知る

~『白日』 King Gun~

 

生きていれば誰でもこんなせつない思いを一度や二度

経験しますよね。

 

私にもあります。

 

この歌を聞くといつも心がキューッハートブレイクってなります

数年前の切ない出来事が、

後悔とともに思い出されるんです。

 

私はあの時どうすれば良かったのか?

私がそんなに悪かったのか?

今でも分りません。

 

でも、あの時の私は、ああするしか思いつかなかった…。

正しいとか、間違ってるなんて、考えてる余裕が無かった…

 

数年前のある早朝の出来事です、、、、、、。

 

朝5時頃の事でした。

息子が血相を変えて寝ている私を起こしに来ました。

 

「お母さん!!!

大野(仮名)のお母さんが

トイレで倒れているんだって!どうしたらいい?」

息子の所にそんなLINEが来たそうです。

 

大野君は息子の中学の時の部活のお友達です。

大野君のお母さんとは、

部活の保護者の懇親会や大会などで、

仲良くお付き合いさせて頂いてた仲でした。

 

 

私はすぐに救急車を呼ぶように言いました。

・息はしているか?

・心臓は動いているか?

・意識はあるか?

 

何も分らず、、、

とにかく、

救急隊に判断を任せるしか無かったのです。

 

大野君のお宅は

夫さんが単身赴任で大野君と弟くんとママで暮らしていたはず…

夫さんは飛行機で帰って来る程の都市にいるはず…

 

実家は北海道…

私の住む県には北海道からは飛行機で移動です。

頼みの綱は大野君(高1)でした。

 

万事休す……。

 

彼女は倒れてどの位たったんだろう?

意識はあったのだろうか?

心配しながらも、なすすべもなく祈っていました。

 

「どうか、無事でいて…」

そして小一時間たったでしょうか?

 

息子が

『お母さん病院に行ってあげられない?

看護師さんが「大人の人は来れないか?」って言ってるらしい…』

 

子供たち二人で意識の無いお母さんを救急搬送し、

お父さん不在のまま状況を説明している…

そして、、、

「大人は誰か来られないか?」と看護師さんに言われて、

頼る大人が私しかいない…

 

最悪の事態が頭をよぎりました…

せめて、夫さんか、親戚の人が来られるまで、

そばにいた方がイイのではないか?

 

居てもたっても居られず、

病院に行きました。

 

看護師さんに、私はお母さんの知りあいで

夫さんが来るまで、子供と一緒にいるために来たと説明し、

夫さんが来るのを待っていました。

 

事態はやはり深刻でした。

 

意識は無く、

ICUに運ばれた…との事でした。

 

夫さんが病院に到着したのは、

お昼を過ぎていました…。

 

子供たちと一緒にいる私を、

いぶかし気な目で見て、

私に軽く挨拶をされました…

 

明らかに…迷惑だ…と言っている目でした…。

 

私はあの時、、、

冷静に、考えるべきだったのです。

 

病気は、とてもデリケートで、

プライベートな事です。

 

たとえ、助けを求められても、

あそこに行ってはいけなかったのです。

 

そして、すぐに病院を去りました。

あぁ…またやってしまった…ていう後悔と共に…。

 

その後、大野君のお母さんは退院し少しの麻痺は残った

ものの、普段の生活ができるほどに回復されたそうです。

 

ありがたい事に、大野君と息子は今でもお友達でいますが、

大野君のお母さんやお父さんから、

退院の連絡や、

その後について連絡が来る事はありませんでした。

 

私は…チャンとした分別のある大人じゃ無いみたいなので…

色んな人に聞いてみたんです…

 

こういう時、あなたならどうする?って…。

 

答は…

 

「私なら行かない……。」

 

そっか…私が間違っていたのか…

 

そんな切ない思いを『白日』を聞くと思い出します。

 

…失って初めて犯した罪を知った…。

そんな切ない出来事です。

大野君のお母さん!あの時は本当にごめんなさい!