息子(18自閉症スペクトラム)と二人、
昭和の公団住宅風、アパートに住んでいます。
4階建てエレベーター無し、一応コンクリート住宅。
カベは薄いし、天井は低し。
そんなアパートに住んでいますので、
ウチの息子(18歳)のトロンボーンの練習などは、
絶対にっ!絶対にっ!出来ません!
なので、息子は、駐車場のウチの車が練習場です(笑)
車の中で正座しながら、トロンボーンの練習しています(笑)
車って防音機能が抜群なんですって!ホントかな~?
通行人が2度見して行きますけど~~
ここに居ても、薄っら聞こえてきます(笑)
きっと、思いっきり爆音で練習しているんだと思います。
勉強も、スポーツもスイミングも、せーんぶ挫折した息子が、
唯一好きだったこと、、、得意だったもの、、、、。
それがトロンボーンでした。
プロの先生のレッスンを受けた事はありません。
ただの吹奏楽部のトロンボーン担当。
中学から吹奏楽でトロンボーンに出逢った息子。
それこそ、寝ても覚めても、ずっと練習して来ました。
高校もトロンボーンの力で入学したんです実は…。
退学させられちゃいましたけどね
高校の進路相談で、ずっと「音大」を希望していた息子、、、、。
でも、「音大」は無理だった、、、。ウチにはお金が無かった、、、。
息子の音楽の実力がどんなものかは私には判りません。
もしも、音大に行けたとしても、
プロになれるような実力なんて無いんだと思います。
でも、、、、、。
「お金が無いから、音大は諦めて欲しい」
とお願いする事が、彼にとって死刑宣告なのだという事は、
十分分かっていたつもりでした。
彼にはトロンボーンだけが寄り所だったから、、、、。
部活を引退して、音大を諦めた息子は、
トロンボーンに触らなくなりました。
そして、退学、、、、。
でも、この春、専門学校に行ける事になった息子が、
久しぶりにトロンボーンを練習し始めました。
なんだろう、凄くホッとしました。
私は、音大に行かせてあげられなかった息子に、
ずっと心で詫びて来ました。
でも、一方で、
あの日、あの時、息子が1歳6か月のあの時、、、、
息子の障害も知らず、育てにくい息子に絶望し、
「この子と一緒に死のうか?」
「ここから、一緒に飛び降りようか?」
と思いつめた日々。
未遂に終わった心中。
そんな日を思い出します。
あの時、本当に飛び降りなくて良かった…。
息子が、トロンボーンに出会う事も知らず、
こんな日が来ると思いもしなかった、あの日。
バカな事をしなくて…
あの時二人で死ななくて本当に良かったと、
今、思っています。
これから、もっと過酷な人生だと思うけれど、
ウチの子は自閉症スペクトラム。
もしかしたら、もしかしたら、、、、
あのピアノの天才みたいな…?
あの、魚の博士みたいな…?
そんな才能がもしかしたら、もしかしたら
そんな奇跡なんてないよね?なんて思いながら、
小さく聞こえるトロンボーンの音を聞いています。