やぶにらみの暴君 | OG:LIFE

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アニメと写真のおはなし

●ポール・グリモーの『やぶにらみの暴君』がこの度ディレクターズ・カット版で「王と鳥」 というタイトルで公開されるのだそうで。この作品は未完のまま発表されたもので、アニメの歴史を調べたときに初めて出あった作品ですが、数多くのアニメ関係者に多大な影響を与えた作品なんだそうです。

◇『やぶにらみの暴君』について少しだけ載っている本
おかだ えみこ, 高畑 勲, 鈴木 伸一, 宮崎 駿
アニメの世界

端的ではありますが画像も沢山載っているので作品がどんな作品なのかを大まかには知ることができます。グリモーの作品意外にもアートアニメ系の作品が沢山載ってます。この本では日本で作られた最初のアニメ作品などの絵も見ることができますし、流通していない中国の切り絵アニメーションの三国志などの絵も載っています。

ササキバラ ゴウ
〈美少女〉の現代史――「萌え」とキャラクター
第二章P123~4でパロディアニメーターとしての宮崎駿と題してカリオストロとやぶにらみの暴君について描かれています。少し前にスウィフトのガリバー旅行記に思い入れがあるという話が載っていたということを描きましたが、同書P117には『ガリバーの宇宙旅行』という東映動画制作の映画のカットがあります。これも宮崎駿がアニメーター初期時代に関わった作品ですが、手塚治虫の実験アニメーション然り、初期ディズニーやグリモーの作品の影響が如実にうかがえます。この時代、セル画の美しさやアニメの美しさとして、主線の無い、パキっとした色使いのものが高く評価されていたことがわかります。
手塚治虫 実験アニメーション作品
ジェネオン エンタテインメント
おかだえみこ
人形 (パペット) アニメーションの魅力
アイ・ヴィー・シー
王と鳥
アイ・ヴィー・シー
ポール・グリモー短編傑作集

ArtAnimation私的調査室

数多くでている本をぎゅっと凝縮してくれたようなサイトです。本がすぐ手に入らない方に是非おすすめします。ちょっと興味がある、という方も全てのページの文章に目を通してもらいたいです。特に「当サイトについて」を読むと高崎真哉さんのアートアニメに対する真摯な想いが伝わってきます。