マンファ!① | OG:LIFE

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アニメと写真のおはなし

 韓国では1997年から日本文化の開放が始まった。韓国文化観光部はまず始めに、映画とマンガ(アニメ)の即時解禁を実行した。日本文化の開放が行われる以前の韓国では、裏での日本の映画やCDなどの「海賊版」が出回っていたが、解禁が正式に実行されて以降、海賊版の取り締まりにも力を入れている。日本の大衆文化の関心はアニメ、映画、歌謡とポップスの順に多く、テレビドラマ、演劇に関しては低いという。最近では季刊誌・月刊誌などのマンガ雑誌を破格の値段で出版しようという動きが見られ、それまで貸本で読んでいたマンガを購入するように促す努力が見られる。ソウルメディアランドでは最近千ウォンコミックブック”ヒット”を創刊、現在発行されている週刊、月刊誌が2~4千ウォンなので大変低い値段設定になっている。
 日本では以前は薄汚いイメージを抱かれていたマンガ喫茶あるいはネットカフェだが、近年内装や設備環境のあり方を一新し、清潔で明るく、尚且つ快適な個人的空間を保障したネットカフェが次々に作られている。韓国ではこうしたネットカフェの発展が著しく、PC방(房)は1万7000店舗が展開されているという(日本でも韓国のネットカフェシステムを模した「NECCA」が2000年より日本全国に展開、現在目に付くネットカフェはすべてNeccaあるいは同水準のシステム基準をクリアしているものである。またネットゲームでは韓国発祥のラグナロクオンライン、リネージュが人気が高い)。韓国ではマンガは購入することよりも貸本で読む割合が多く、年間コミックス販売部数の8割程度は貸本店の購入で占められている。個人で購入されるマンガは人気作品10数作程度である。貸本店は以前は裏を通じての流通ルートによるものや海賊版、違法コピー物などが出回っていたが、現在では正式ルートでの取り入れを行っているため、利用者としても、またこの場合発信をしている日本側としても安心できる状態となった。コンテンツ振興院による2003年に実施されたマンガ出版物流通箇所の変遷を見てみると2003年のデータでは貸本店が8000、書店が2376、オンライン書店では10、漫画喫茶では2000程度である。1988年の文化観光部の日本大衆文化流通実態調査によると、日本の大衆文化商品の中で、出版マンガの分野が総市場規模3,991に対し、1,878と47.0%となっている 。日本のマンガは国内のマンガと同じ量、あるいはそれ以上の売れ行きを示しているのである。因みに、現在韓国で人気の日本のマンガは日本でも人気の有る作品からマイナーな作品まで広範囲に及んでいるが、古典的な作品の方がキャラクター個々の認知度も高く、人気を得ているものもあるようだ。意外なことに、アメリカなどではポケットモンスターが絶大な人気を誇ったのに対し、韓国では「ヤマト」ではなく「ガンダム」的な“影のある主人公”の物語であった「デジモン(デジモンアドベンチャー)」がKBS2で放送されポケモンを抜いて人気を得ている。ここに米国とは違った韓国の情緒を見ることができる。米国では戦隊もののように勧善懲悪が好まれる国であるが、韓国ではそうではないということが言えるのである。