声優 | OG:LIFE

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アニメと写真のおはなし

●さて、児童文学B最終に扱いましたのは『新世紀エヴァンゲリオン』です。これは文学ではございませんが、先生の趣味と主人公と父親・母親の関係図や物語構造の根本にファンタジー要素があるということで取りあげました。


小原 乃梨子
声に恋して 声優
中川 奈美
アニメ声優読本

●エヴァンゲリオンに登場したキャラクターとそのキャラクターのヴォイス担当者を挙げてみよう。まず主人公碇シンジ(緒方恵美)、惣流・アスカ・ラングレー(宮村優子)、綾波レイ(林原めぐみ)、葛城ミサト(三石琴乃)、鈴原トウジ(関智一)、加持リョウジ(山寺宏一)、洞木ヒカリ(岩男潤子)、渚カヲル(石田彰)・・・と現在でも人気の高い声優陣ばかりである。

 最近は声優も単純に声の役者のみならず、様々な才能が求められるようになってきており、アニメのキャラクターの名前でキャラクターソングを個別あるいはグループで出すなど女性の声優では目立って歌手業の傾向が強まってきている。

 アニメのブームがあったように、声優にも際立って隆盛した時期が存在し、第一次声優ブームの映画の吹替えから始まり、アニメと関連した現象として声優の存在が注目されたのは1970年代頃の第二次声優ブームで、美男子キャラクターを得意とする声優陣が人気を誇りレコードを出すなど既にこの時代から声優の業種の幅が広がりを見せ始めている。そして第三次声優ブームではアニメをベースとしたラジオ番組やOVA,ゲームなどのよりコアな方向からの声優の活躍が増え、声優専門誌が創刊されるなど現在の声優のフィールドが確立された。現在では声優事務所としても声優のタレント化は基本視野としてとらえており、寧ろそういった活動をすることを推奨している。アニメと連携したものであれば、声優がキャラクターとして歌っているCDは明らかに「キャラクターグッズ」の一員でもあり、アニメファン、あるいはキャラクターファンがCDを通して声優自体に興味を寄せていくことを狙ったものと考えられる。さらには、声優陣のユニットからアニメが作られるというケースも出てきており、「ヴァイスクロイツ」がその例としてあげられる。

 『エヴァンゲリオン』以前にもそういった声優が声優「ブランド」として固定ファンのいる声優が出演していることでのアニメの支持率の向上はあったように思える。「タッチ」や「宇宙戦艦ヤマト」、「ナウシカ」「マクロス」などでは紅一点のヒロイン役を務めた声優陣に人気があり、その人気は今も尚続いているのである。

 再び『エヴァンゲリオン』の声優陣を見てみると、過去の経歴としても人気キャラの声優を務めているベテランが多いことが分かる。エヴァンゲリオンの現象の原因の一つとして声優の力があることは間違いないと思って良いだろう。名前を挙げた声優陣は、それぞれにファンも多く、緒方恵美や林原めぐみは歌手としての実績も高く人気がある。宮村優子は歌は得意ではないが、彼女のために用意されたともいえるイメージそのままのアスカというキャラクターのマッチ度が人気に繋がったのではないかと思う。