病気と捉えるか老衰と捉えるか | はぴいち~Happy each other~のブログ

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また日常を綴っていきたいと思っています。

そして書きながら 常に自分も
自身を見つめ直し、しっかりと自分の道を歩んで行こうと思います。

2023.8.3.



あまり時間がないかもしれないな…

最近の父を見ていて何となくそう感じる。

医師に余命を告げられたわけではないし、床に伏せているわけでもない。

ただとてもゆるやかに終末期へ向かっているように私には見える。

何となく私がそう感じるだけの話。



胃潰瘍も肺炎もとにかく治りが悪い。

治りきる前に再び悪化する。

今後はこれを繰り返しながら、少しずつ体の機能が衰えていくのではないかと思う。

いわゆる老衰ってやつだ。



暑さもあって散歩にも出なくなり、みるみる運動機能も落ちていく。

デイサービスの職員さんが上手に話して父を連れ出してくれ、退院して1週間後にはリハビリ型のデイサービスを再開できた。

でも半日行くと疲れるのか午後はずっとソファーで寝ている。



歩行器をリースする予定で

いくつか持ってきていただき、父が選んだひとつをそのまま置いていってもらっているけど、まだ一度も外へ散歩には行けていない。



昨日デイサービスから電話があり、看護師さんから父の胸の音がおかしいと報告を受け、受診を勧められた。



デイサービスから連絡があったことを母に報告すると、父からは何も聞いていないと言う。


「せっかく色々作ってもお父さんが野菜を食べてくれない!」と母が言うので、


不謹慎かなとも思いつつ

考えて考えて 私が父を見て今感じていることを母に話した。



父の身体のために良かれと思って色々手を尽くしている母。

その母の言うことを聞いてくれない父。父は自分で自分の寿命を縮めていると母は感じている。



「せっかくお父さんのために作ったのに食べてくれないって本当に酷いよね!お父さんは自分のことばっかりでお母さんの大変さには気づいてくれてないし…!

でもさ、デイサービスから連絡あったし、もしかしたらまた肺炎が悪化してるのかもしれないじゃん?明日病院で検査すれば色々分かると思うけど、今後お父さんはこれを繰り返しながらゆるやかに衰えていくとしたら、今のお父さんは食べたいものを食べるだけでもいいんじゃないかな…」

と私が言うと



「うん、そうだね。」

と母は言った。そして祖父が何度か肺炎になった時の話や終末期の話を色々教えてくれた。



「そんなこと言ってて案外長生きできるかもしれないけどさ、いつ何があってもおかしくないと思って心の準備はしておいた方がいいかもしれないよね」

と私が言うと、



「歳を取るのは嫌だねぇ」

と母が言った。







胃ろうはしない、

人工呼吸器は付けない、

その時の状況にもよるだろうけど

回復が見込めない場合は無理な延命をするより、自分で食べたり、人と話したり、そういう人間としての尊厳みたいなものを保ったまま…

徐々に食べられなくなって、命が尽きたらそれが寿命。

そう考えるのはどうだろう?

と少し前に両親に話したばかりだ。




「いいよ。オレはそうしてもらいたい、頼むよ!」

とその時の父は言っていた。

それが父の本心かどうかは定かでない。

オレは家族に迷惑はかけないぜ!とカッコつけて言っただけかもしれない。


それでも、いざという時

決断するのは私たち家族だ。

話が聞ける内に相談しておきたかった。





ここにきて私の中で少し認識が変わったのは、肺炎になった父の状態を

病気と捉えるか、老いと捉えるかということ。



歳を重ねれば身体の機能は低下していく。

生命維持のためにこれまで無意識に当たり前に働いていた機能も徐々に衰えていく。

誤嚥性肺炎とはまさにその機能の衰えの結果なのではないかと思った。



これは自然に起こること。

なんら不自然なことではない。

生物にとって加齢と共に身体の機能が低下するのは当然のことなのだ。




そう考えたら…

父はこの歳まで病気に命を奪われずに生きてこれたのだ。

それはとても幸せなことだ。



食べたいものを食べられている。

自力でベッドから起き上がれて、

掴まりながらでもひとりで歩ける。

トイレで排泄できて、

お風呂にだって入れる。

気に入らなければ文句も言えるし、

面白ければ笑うこともできる。

なにより病院ではなく自宅にいられている。



腰が痛かったり

目が見えにくかったり

耳が遠かったり

気持ちよく眠れなかったり

思う通りにならない不満はいっぱいあるだろうけど



やっぱり私は

父は幸せな人だと思う。



「なんでオレばっかり病気になるんだ!」

「オレはもう長げぇことねぇーよ」

「分かってんだけどよぉ~できねーんだよ」


これが父の口癖。




「今日もデイサービス頑張って行ってきたの!偉いねぇ」

「美味しく食べれて幸せねぇ」

「うんち出たの!良かったねぇ」

「眠れると嬉しいねぇ」



これを私の口癖にしようと思う。

少し考え方を変えた私は

できたことを父と一緒に喜ぶことにする。



お盆休みに帰省できるか分からないと言っていた弟に、無理のない範囲で会えるなら会って欲しいと伝えるつもりだ。




少し先を見過ぎるのは

私の悪いところでもあるけど、


これが私の 今ここ。






少しの覚悟を持って

家族の真ん中に立つ。











はぴいち