<この本で得られた気づき>

 

● 基本的には会計とはこのように、お金がどう動いたか、儲けを出すにはどうすればいいかをわかりやすくするためにあるわけです。これは家計でも大企業の決算書でも、本質は同じです。みんなから集めたお金がたい焼きに姿を変えて、再びお金になって戻ってくる。「資金→製品(商品)→現金」という流れは、どんなビジネスでも基本です。これはとても重要なことなので、よく覚えておいてください。(P.22)

 

● 「損益計算書=(PL・Profit and Loss Statement)」は、会社がある一定の期間にどれだけの「利益(損益)」を稼ぎだしたか、「ビジネス結果」を計算する書類です。(P.24)

 

● ここでわかっていただきたいことは、利益は単独には存在しないということです。<利益=差額概念> 利益は単なる「計算結果」である、ということをしっかり覚えてください。別の言い方をすれば、売上と費用の長さを変えれば、利益は変わるということです。しかも、それぞれ(売上と費用)の長さは、経営者の "主観" によって合法的に変えることができます。このことが会計を難しくしている1つの原因です。こう書かれると、会計数値を信じる気にはなれませんよね。でも、会計は主観が入り込んでいるといえど、会社の業績を "見える化" してくれるすぐれものなのです。(P.26)

 

● 会社は原則として1年間で区切って業績を計算します。しかし、めまぐるしく変化するこの時代に1年は長すぎるため、半期、あるいは四半期に一度決算して業績報告することが求められてきました。さらに経営者(社長や役員)や管理者(部課長)は、もっと短いスパンで業績をつかむ必要があるため、1カ月ごとに決算を行います。これが「月次決算」です。(P.27)

 

● 収益と費用は、大きくわけて、「本業で生じたもの」「本業以外で生じたもの」「臨時的に生じたもの」に分かれます。(P.28)

 

● 「売上総利益」を「売上高」で割った値を、「売上高総利益率(粗利率)」といい、利益をもたらす力を表しています。粗利率が高いほど、その会社の商品やサービスの収益力が高いということです。(P.30)

 

● 「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を差し引いた値が「営業利益」で、「本業の業績」を表しています。(P.32)

 

● (経常利益とは)本業の活動と財務活動を合わせた結果で、「会社の現実の実力」を表わします。... 「営業外損益」は、預金の受取利息や借入金の支払利息など財務活動にかかわる損益と本業以外の損益を加えたものです。収益と費用の範囲を「営業活動」と「財務活動」まで広げた場合の利益です。... 「営業利益」に対して「支払利息」が多くなってしまうと、儲けの一部を銀行にもっていかれ、「銀行のために働いている」ことになりかねません。営業利益がプラスでも、経常損失になってしまう理由は財務的基盤が弱いからです。(P.34)

 

会社は、「税引前当期純利益」の約 30 %の税金(法人税、住民税、事業税)を支払います。当期純利益」は、その金額によって株主への配当が決まり、株価にも大きな影響を及ぼすことが多いので、投資家に撮っては一番大事な数値です。この「当期純利益」が賃借対照表の「利益余剰金」に入ります。ここで、損益計算書と賃借対照表がつながります。(P.36)

 

● 「賃借対照表(BS)」の大きな特徴は、... 左右にわかれていること。そして、左右の合計は必ず一致することです。天秤のようにバランスをとっていることから、バランスシート(BS)とも呼ばれます。... これはとても重要なことですが、プロローグでも述べたとおり、会社は資金(つまり現金)を使って現金を稼ぐ存在です。そして、その姿を表わしているのが「賃借対照表」です。(P.41)

 

● (賃借対照表の)右には「お金の調達方法」、左には「お金の使い道」が書かれている。(P.42)

 

● (賃借対照表の)左側には会社の「資産」が一覧できるように書かれています(資産の部)。... 前述したとおり、会社は、お金を使ってお金を増やす存在で、「資金→製品→現金」という流れが、ビジネスの基本です。つまり、現金化されるのはいつかというのが重要なのです。だから、「賃借対照表」は上から現金化されやすい順番に並んでいるのです。P.43-45)

 

● (賃借対照表の)右側には、「資金をどこから調達したか、その調達先」が書かれていて、「負債の部」と「純資産の部」に分かれています。調達先は、取引業者(買掛金)、銀行(借入金)、株主(資本金と資本余剰金)、会社の儲け(利益余剰金)の 4 つ。買掛金と借入金は、いずれ返さなくてはいけないので、これを「他人資本=負債」といいます。資本金と会社の儲けは返さなくてもいい自分のものなので、「自己資本=純資産」とよびます。 (P.59)

 

● 「キャッシュフロー計算書」は、企業が一定期間にどのような活動から現金を増やし、あるいは減らしたかがわかります。つまり、キャッシュ(現金)の流れ(フロー)を追うことができます。これは、2000 年以降に上場会社に対して開示が義務づけられました。 (P.64)

 

● では、なぜ「キャッシュフロー計算書」が必要なのか? ここで「儲けと利益は違う」ということがポイントになってくるのです。先ほど述べた通り、「損益計算書」での「利益」は収益と費用の差額にすぎません。売上が計上されていても、代金の回収までにはタイムラグがあるため、売上に相当する現金が入金されているわけではありません。同様に費用が計上されていても、その額に相当する現金が支出されたとは限りません。ということは、利益が出ていても、その額の現金が入金されているわけではないということです。(P.65)

 

● これはとても重要なことですが、「儲ける」とは、現実に「現金」を稼ぐことに他なりません。企業はキャッシュがないと、仕入れができません。設備投資ができません。給与が払えません。手形が落ちず倒産してしまいます。黒字でも(=利益が出ていても)、商売に必要な運転資金(材料代、給与、賞与、納税)が足りず倒産することはざらにあります。反対に言えば、現金がある限り、赤字だろうと会社は潰れません。(P.65-66)

 

● 企業にとって現金は、人間にとっての血液のようなものといえるでしょう。現金を循環させることが経営者として何より優先すべき使命なのです。したがって、キャッシュフロー計算書で具体的な現金の出入りをつかむ必要があるのです。(P.66)

 

● また「損益計算書」と「賃借対照表」には、経営者の"主観"が入りますが、キャッシュフロー計算書では"事実"を表しているので、会社の真実の姿がわかるというメリットもあります。(P.66)