だれしもひとは生まれる場所をえらぶことはできない
また生まれるときもえらぶことはできない
そしてまた生まれる親をもえらぶことはできないのだ
・・・おそらく死ぬときも選ぶことはできまい
気がついたときには、すでにそこにいるのである
あかごの時分から、本領を発揮し生き抜かねばならないのだ
えらべぬ時代に生きた先人、ごせんぞさま・・・
さだめし苦労の絶えぬことのれんぞくであったろう
だが、途切れぬ細い糸のように生き抜いた
だから、今の自分にまで連なってきたのだと思う
祖父が幼い頃に目にしたという神社に秘された古びた系図によれば
海をへだて山深く草茂き谷に、落ち武者一行がそこにたどり着いたのは源平合戦の頃であろうか
そこから始まるのである