令和元年は災害の多い年でした。

台風19号の爪痕が冷めやらぬ中、大阪の春陽軒では、70年ぶりに大授戒会を開催された。

 

今まで各地で様々な良縁を頂いてお授戒に参加させていただいてきましたが、今回ほど『縁』のありがたさを感じた授戒は初めてでした。

 

 

ここの住職と私は永平寺での同安居【修行に入ることを安居(あんご)といいます】です。

そしてたまたま私の祖父は110年前、このお寺で生まれました。

祖父が10歳の時に祖父の父(春陽軒21世哲外俊英大和尚)が若くして亡くなり、当時の残った家族は食べて行く事に困り、止む無く一家解散となりました。

そしてたまたま私の祖父は大阪のお寺さんに里子として育てられ、後にご縁あって三重県伊勢市のお寺へ住職として就任しました。

 

 

時は巡り、孫の私に祖父は

「僧侶にならないか・・・?」と言いだしました。

すぐに「ハイッ」とは言えませんでしたが、後々ある切っ掛けがあり私は僧侶への道を歩く事を決めました。

 

平成5年に大本山永平寺へ修行に行った時に素晴らしい仲間達と出会いました。

その中に春陽軒の現住職も居ました。

 

今思えば、出会いのイメージはお互いあまり良くはなかったかな・・・

それでも10年20年と一緒に修行させていただいていると仲も良くさせていただきました。

 

 

平成14年に私が住職就任式を挙行した時に『真心会(まなかかい)』という会が出来ました。

間もなく結成20年を迎えるこの会で、幾度かの授戒会や晋山式など各地で行われる大きい行事、白山拝登(登山)などを務めてきました。

 

 

何年か前に春陽軒住職から

「あんたの祖祖父が間もなく100回忌だよ」

と言われた私は、

「春陽軒で授戒を置いてくれたら、私は供養の施主になるよ」

と言い返した事が切っ掛けとなり、この度春陽軒で

21世100回忌報恩大授戒会

を開催していただける事になりました。

 

縁の巡り合わせって、言葉に出来ませんね。

 

 

今回、私の祖父の位牌も100年ぶりに里帰りさせました。

 

 

今回の配役は真心会と春陽軒の教区(組寺)の若手がメインの授戒会です。

 

 

この日を迎えるまで、構想から合わせたら約2年の時間がかかりました。

 

 

教区若手にとっては滅多に開催されない不慣れな行事。

覚える事が多すぎて、とにかく一生懸命でした。

 

 

ようやくメインの当日を迎え、沢山の檀信徒が参集してくださいました。

 

私たち、この時点ですでに涙目です。

 

 

授戒会中に行われる『先祖供養』のお勤めは、普段よりお寺さんも多くとても荘厳で盛大です。

 

つづく・・・