この記事は朝日新聞11月4日に掲載されました。



就活の早期化・長期化に大学側が危機感、適正化申し入れ(1/4ページ)[新聞掲載]2008年11月4日

就職・採用活動の開始時期
 大学生の就職活動、企業の採用活動に、大学側が危機感を募らせている。早期化、そして長期化に、だ。国立大学協会などは今夏、97年の就職協定廃止後、初めて「学業に支障がある」として、経済団体に適正化を申し入れた。しかし、すでに一部の職種で選考を終えた社もあるうえ、秋になり、企業の説明会も本格化している。
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 都内の私立大学に通う3年生の女子学生(20)は9月中旬から、在京テレビ局のアナウンサーのエントリーを始めた。10月は、面接試験が次々行われた。「多くの局で選考が終わったと聞いています」
 学生と企業が接触し始めるのは、3年生の夏休みだ。学生は、希望企業に、仕事を実体験する「インターンシップ」を申し込む。学生たちは「事実上の就職活動のスタート。人事担当者に気に入ってもらう大切な場です」。昨年、ある損害保険会社の1日インターンシップに参加した関西大4年生の男子学生(22)は「ずばり就職セミナーという感じでした」。
 秋に入り、会社説明会も次々、開かれている。横浜国立大学3年の男子学生(22)は「先輩の手帳を見たら、秋以降、説明会の日程が来春までびっしり書き込まれていた。私も準備をしなければいけないと焦っています」。今、就職情報会社のホームページを見ながら、説明会の日時をチェックする毎日だ。
 リクルート(東京)がまとめた「就職白書2007」によると、アンケートに答えた861社のうち41.4%が、09年3月卒業生の採用スケジュールが前年より「早まる」と回答。理由に、優秀な人材の確保82.9%、競合対策56.9%などが並ぶ。他社に先んじて、いい学生を確保しようと、企業は採用を早める。一方、従来通り、4月から活動する企業もあり、学生たちの活動は、必然的に長期化することになる。
         (以下略)


この記事は1/4とあるので、この記事は4ページあるのだが、筆者は、この1ページを読んで非常に驚いた。筆者就職協定以前の人間であり、1997年以前就職協定があったことも知らなかったのである。しかし、インターンシップと同じように、3年生には工場実習というものがあり、私も大学3年の時にある製鉄所で夏休み1ヶ月1万円で働いた。男女雇用均等法以前であるにも関わらず、(つまり私がこの製鉄所に就職する可能性は無いのに)忙しい最中に、各部署の方々に青二才の私たちのために貴重な時間を割いて工場見学させていただき、課題については、多くの人に支えられてリポートを完成させた。インターンシップで「ずばり就職セミナー」なんてことは、決してなかった。企業と言うものがどういうものか良くわかった貴重な体験だったのである。
私たちの時代には、大学4年生の半ばに成績が発表され、院生、次に学卒の成績の良い順から、企業の推薦枠で就職した。つまり、良い成績を修めないと、就職も思うように出来なかったのである。97年に就職協定廃止され、大学3年生で就職活動をするということだが、大学3年生と言えば教養課程を終わってやっと専門課程の学科を学ぶ大切な時期である。曽野綾子の「太郎物語大学編」にもあるとおり、私は学生は最低、4年間学問に専念するべきだと考えている。その成績から、企業が採用を決めるのが正論と言うものではないか?私から言わせれば、大学4年なんて、あっという間に終わってしまう。短すぎるほどである。国立、私立を問わず思い切り学問が出来る設備を自由に使えるのは、大学時代だけなのである。高い学費を払う対価として、大学の研究設備を自由に使えるのは、4年間だけなのである。例えば、1回計算すると数万円掛かるスーパーコンピュターを大学の授業料だけで、自由に扱えるのは、大学の4年間しかないのである。
。国立大学協会が「学業に支障がある」と経済団体に適正化を申しいれたという話は、しごく真っ当な話で、企業がその学生がどんな成績であるか、どんな研究をしているのかを考えず、専門課程に入ったばかりの学生に会社説明会をするなど、おかしいとしか思えない。しかも、昔どおり大学4年の4月から活動する企業もあり、学生たちは、大学3年の秋から大学4年の4月まで、就職活動することになり、必然的に長期化することになるのである。本来、学業に専念するべき大学生に、3年生から接触するなどとは、言語道断である。
アナウンサーになるためには、確かに発声やアナウンスの技術が必要であるが、前回述べたように、知性も必要であるし、そのためにはちゃんと学問を修める必要がある。
私が学問と言う言葉にこだわるのは、大学受験はあくまでも勉強であり、物事の本質を問うことが出来るのが学問で、それができるのが大学だからであるからである。うろ覚えだが、『富嶽百景』で『富士山には月見草が似合う』『人間失格』で『恥の多い人生を送ってきました』と書いた太宰治も、学問をした後にその知識は忘れても何かが残る、それが大事なのだと何かの文章で書いていたが、けだし名言である。
私は、多くの矛盾を抱えるアメリカ合衆国が決していいとは思わないが、日本も合衆国のように、入学しても学問に励まないと卒業できないようにする必要があるのではないか?私は、パトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズが好きで読んでいるが、犠牲者や職員が、働きながら夜学に通い別の学位、修士、博士課程で学んでいるケースが度々出てくる。合衆国では○○学の単位を取ることが就職やキャリアに大事なことであることが良く分かる。
日本でも、3.5年間(この時点で卒業できるかどうか分かるから)どんなことを研究したのか、面接で聞いてから採用しても遅くは無いのではないかと筆者は思うのである。
アナウンサーの安藤優子さんは、上智大学を休学して、その後復学して、最終的に仕事と勉学を両立させながら、卒業された。更に上智大学大学院外国語学研究科国際関係論専攻修士課程を卒業された。それが、彼女のキャスターとしての能力に必要だったかわからないが、彼女のバックボーンを更に固めたことは想像に難くないと思う。
今年は、100年ぶりの世界大不況で、今年の就職戦線はかなり厳しいものになることは間違いあるまい。
しかし、毎年女性アナウンサーを採用しながら、何故かニュースキャスターを他局出身のフリーアナウンサーを抜擢するのは何故だろうか?
言うまでも無く、就職戦線は厳しいかもしれないが、やはり、人材を育てるという局を選ぶべきであろう。
それから、もう1つ言いたいことは、出産し育児休業を取って復職して、アナウンサーを続けたい方に言いたい。この厳しいご時勢にあえて言うのだが、復職後1年は使い物にならないと待ってくれる局を選ぶべきである。何故なら、NHKの朝連続ドラマの「ちゅらさん」でも描かれているように、子供は、生後1年位は呼吸器がちゃんと発達していないのでどんなに気をつけても気管支炎や下手をすると肺炎なる可能性があるし、保育園に預けるとよその子から病気をもらってしまう。麻疹やおたふくや水疱瘡もは保健が利かなくても、1歳未満に自費で予防接種を受けさせるのがのぞましいが、ただでさえ予防接種の多い生後1年に全部済ませるの難しい。毎日40℃位の熱が何日も続くこともあるので、母親は途方にくれてしまい、心配と看病疲れでダウンしてまうのである。そのような病状だとお金を積んでもベビーシッターは看てくれないし、看護師の資格を持った祖母が代わって診てくれるのではない限り安心は出来ないのである。祖父母が近くにいても、こと子供の病気に関して母親が1人で救急病院に連れて行くか様子を見るか判断しなければならない。しかも、子供の病気は、大事なプレゼンや客先との打ち合わせの日に限って狙ったように起こるのである。しかし、それも1年の辛抱である。1年経てば、熱もめったに出さなくなるし、多少の熱でもストックの抗生剤を与えておけば、病児保育で診て貰える。だから、復職後1年は大目に見てくれる局を選ぶのが大事なのである。

2008年1月13日掲載