予想通りの終幕。
結局、別離以外に選択肢なんてなかった。
僕はただ抗っただけ。
知ってるさ、そのくらい。
いつから・・・いや、きっと初めから
そのシナリオを辿っただけ。
誰かの作った
三流の台本どおりの1年間だった。
最後まで
彼女の口からその言葉は聞けなかった。
「愛してる」
たったそれだけが
2年半で、たったの一度も。
愛する故の選択か
それとも
最初から愛されてなどいなかったのか
どちらか知らないけど
もうどっちでもいい。
どちらにせよ、結果は同じ。
誰に何を言われても
もう言い返すつもりもない。
だから
もう誰とも話したくない。
公園を歩きながら
いつしか部屋から眺めて思い描いた風景を思った。
意味もなく持ってきたわけじゃない
捨てずに持ってきたグローブとボールで
いつか
君と一緒にキャッチボールをしたかったんだ。
自分が親父にしてもらった
数少ない、些細だけれど大切な思い出のように。
桜の舞う中で
一生懸命ボールを追いかける君を見たかった。
いつか親父に言われたね
「自分の為の人生は、どこまで行っても空しいものだぞ」って。
うん・・・知ってるよ。
でもね
誰かの為に生きようと無理をする僕は、決まって別れを告げられるんだ
「あなたらしく生きて」
そんな言葉だけ置き去りにして。
東京に戻って
もう一度ゼロから、仕切りなおして頑張って
必ず
もう一度3人で一緒に暮らすんだって
その時はちゃんと、盛大に結婚式をするんだって
子供じみた空想だったかな
馬鹿らしい妄想だったかな
都合の良すぎる夢物語だったかな
僕は、本気だった。
昔、誰かに言われた
「お前はさ、きっと『外道』なんだね」って。
あぁ
今ならもう否定はしないし、はっきりわかる。
僕は、道を外れてる。
家族を幸せに導く事もできず、愛し信じられる事すら叶わなかった。
だけどね
それでも本当に
愛していたんだ。愛されたかったんだ。
「お前の帰る場所なんてないよ」
そう
誰かに言われた。
うん
それならいっそ、このまま消えてしまおうか。
少しだけ、疲れた。