主な財務実績

1. 親会社株主に帰属する当期純利益

   - 2023年: 8,018億円で、目標の8,000億円を超過達成。

   - 基礎収益: 約7,890億円で、第4四半期単独で2,055億円を記録し、前年同期比で増加。

 

2. 実質営業キャッシュフロー

   - 合計8,230億円で、前年同期比でわずかに減少。

   - 金利上昇に伴う支払利息や税金の支払増加にもかかわらず、安定した営業収益を記録。

 

セグメント別業績分析

 

1. 繊維

   - 前年同期比: 15億円増加(一過性損益 △25億円を含む)

   - 新型コロナウイルスの影響緩和による小売市場の回復で、前年の一過性利益の反動にもかかわらず、収益が増加。

 

2. 機械

   - 前年同期比: 242億円増加(一過性損益 △10億円を含む)

   - 自動車関連取引および北米電力関連事業の好調で収益が増加。

 

3. 金属

   - 前年同期比: 213億円減少(一過性損益 +5億円を含む)。

   - 鉄鉱石事業の収益増加にもかかわらず、石炭価格の下落と北米鋼管事業の収益減少で全体的に収益が減少。

 

4. エネルギー・化学

   - 前年同期比: 241億円減少(一過性損益 +100億円を含む)。

   - リチウムイオン電池事業の再評価利益にもかかわらず、前年のエネルギートレーディング取引の反動で収益が減少。

 

5. 食料

   - 前年同期比: 461億円増加(一過性損益 +145億円を含む)。

   - Doleの物流コスト改善や販売価格の上昇、北米畜産関連事業の収益改善で全体的に収益が増加。

 

6. 住生活

   - 前年同期比: 289億円減少(一過性損益 +15億円を含む)。

   - 国内不動産取引の好調にもかかわらず、パルプ市場の下落と販売不振で収益が減少。

 

7. 情報・金融

   - 前年同期比: 32億円増加(一過性損益 △160億円を含む)。

   - ITサービスおよび保険仲介手数料の増加で収益が増加。

 

8. 第8事業部

   - 前年同期比: 192億円増加(一過性損益 +35億円を含む)。

   - デジタル戦略強化および販促活動の強化で収益が増加。

 

この会社は非資源部門に強みを持ち、2023年の業績を通じてその優位性が証明されています。非資源部門は会社の収益性と成長可能性を主導する主要な要素として評価されます。

 

非資源部門の主な業績

1.    基礎収益

    •    非資源部門の基礎収益: 約7,890億円で、第4四半期単独で2,055億円を記録し、年間を通じて高いパフォーマンスを維持しています。

    •    非資源部門が基礎収益の大部分を占め、非資源部門の収益性が非常に堅固であることを示しています。

2.    主な非資源部門の業績

- 繊維: 小売市場の回復により収益が増加しました。

- 機械: 自動車関連取引および北米電力事業の好調により収益が増加しました。

 - 食料: Doleの物流コスト改善や販売価格の上昇、北米畜産関連事業の収益改善により収益が大幅に増加しました。

- 情報および金融: ITサービスおよび保険仲介手数料の増加により安定した成長を見せました。

- 第8事業部: デジタル戦略強化と販促活動の成果により収益が増加しました。

3.    基礎収益比率

- 非資源部門の基礎収益比率が73%から74%に増加し、非資源部門が全体の収益の主要な源泉であることが再確認されました。

 

全体業績評価

 

非資源部門での強力なパフォーマンスは、会社全体の業績を牽引する主要な要素となっています。以下は2023年業績の主要評価項目です。

 

1.    親会社株主に帰属する当期純利益

- 8,018億円で目標を上回り、非資源部門での堅実な成果が大きく寄与したと考えられます。

2.    実質営業キャッシュフロー

 - 非資源部門での安定した営業収益がキャッシュフローの主要な源となり、合計8,230億円の純収入を記録しました。

 3.    成長投資と戦略的方向性

 - 非資源部門の強みを基盤とした戦略的投資とデジタル戦略の強化は、今後の成長をさらに加速させると期待されます。

 

 一過性損益内訳

 

- 機械: ロシア向け航空機の損失および北米飲料機器事業売却利益。

- 金属: 固定資産売却利益。

- エネルギー・化学: リチウムイオン電池事業の再評価利益。

- 食料: 北米畜産事業の損失およびDoleの減損損失。

- 住生活: 住宅資材事業の再評価利益。

 

キャッシュフロー分析

 

- 営業キャッシュフロー: 9,781億円の純収入で、前年同期比で増加。

- 投資キャッシュフロー: 2,060億円の純支出で、戦略的な買収および資本支出。

- 自由キャッシュフロー: 7,721億円の純収入で、強力なキャッシュ管理能力を示す。

 

財務状況

 

- 総資産: 前年度比1兆3,743億円増加し、14兆4,897億円。

- 純有利子負債: 3,504億円増加し、2兆7,416億円。

- 株主資本: 6,037億円増加し、5兆4,270億円。

- 資本比率: 前年度比0.7%増加し、37.5%。

- 純負債比率: 0.51倍でわずかに増加。

 

2024年度経営計画

 

1. 連結純利益目標: 8,800億円。

2. ROE目標: 16%。

3. 配当政策: 1株あたり200円または配当性向30%のいずれか高い方。

4. 成長投資: 1兆円を上限とした投資。

5. 純負債比率: 0.6倍未満維持。

 

戦略的方向性

 

1. 既存事業強化: CTCおよび大規模買収。

2. 新規成長分野: グリーン鉄鋼事業および北米建設資材事業の拡大。

3. デジタル戦略: データ分析および広告事業の強化。

4. 持続可能性: 再生可能エネルギーおよび炭素排出削減努力。

 

評価および結論

 

この報告書は、強力な財務実績とキャッシュフローを基に持続可能な成長を目指しています。特に、非資源分野の業績が顕著で、戦略的な投資を通じて長期的な成長基盤を確立しています。また、デジタル化および持続可能性の強化努力は、今後の成長可能性を高める要素として評価できます。総合的に、この報告書は、会社の健全な財務状況と将来の成長可能性をよく示しています。