小学校の英語と中学校の英語,いったい何が違うの(2) | 次世代を担う子供たちの現在そして未来

小学校の英語と中学校の英語,いったい何が違うの(2)

 この記事は,ぶんぶんどりむ2013年4月号からの蔵出しです。(その1はコチラ


●中学生が感じている「中学校の英語」


 この変化を子どもたちがどのように感じているのか,「中学校の英語授業への肯定感」に関するデータを見てみましょう。

 

(表3)英語の授業への意識(現在※数値が高いほど肯定感が強い

話したり,聞いたりするだけでなく,読んだり書いたりすること 84.5%
日本人の先生が中心となって教えていること 77.1%
単語や文・文章を覚えなくてはいけないこと 72.0%
文法(文のルール)を学ばなくてはいけないこと 69.7%
音だけでなく,文字を使う勉強が増えたこと 61.8%
歌やゲームなどが授業の中心でないこと 54.9%
授業中に英語を話す時間が少ないこと 25.4%
外国人の先生(ALTなど)の授業が少なくなったこと 23.0%



 我々が子どもの頃に,「中学で学ぶ英語の授業とはこういうものだ」と肯定も否定も無く当たり前に感じていたことが並ぶ一方で,肯定感の低い回答項目2つについては「小学生のときの楽しい英語」をいまだに求めていると読みとることもできます。これが,これからの新中学1年生が入学後に受ける「英語授業のギャップ」なのでしょう。中学校ではもちろん定期テストがありますから「楽しくコミュニケーションをとる」だけの授業では成立しません。小学生の頃にどれだけ「読む」「書く」への意識を高めておけるかが,中学校での順調なスタートへのカギになっていることは間違いないようです。


●中学生はいつ頃から英語に苦手意識をもつのか
 

今回の調査は「中1の10月」に行われています。この時「英語を好き(とても+まあ)」と答えた割合は57.2%ですが,これが中2になるとどのように変わっていくのでしょうか。中2生(中3になる直前の1月~2月に調査)を対象とした別のデータを見ると,英語を「苦手+やや苦手」と答えた生徒は6割を超えているのです。この生徒たちが「苦手意識を持った時期」を見ると,


(表4)英語を苦手と感じるようになった時期

中学校に入学する前 11.7%
中1の始め~夏休み頃 26.6%
中1の夏休み後~後半 39.4%
中2の始め~夏休み頃 16.7%
中2の夏休み後~現在  5.6%
無回答・不明 0.1%


 となっており,やはり「中1の英語」への順応,特に文法事項が多くなる秋以降までに「中学生としての英語の勉強の仕方」にしっかりシフトできていることがカギになっているのです。
 
 小学校の英語授業はもちろんのこと,英会話をはじめとするスクールに通ったりして,我々の子ども時代に比べれば,今の子どもたちが「生の英語」に触れる機会は格段に増えています。低学年のうちから親しむ英語は本当の意味で「子どもたちの財産」になりますが,「中学や高校での英語の学力」とは一致しない部分もあるのです。「英語は楽しい」と感じる子どもたちが中学で暗い顔をしなくてすむように,英語を「読む」「書く」習慣も,6年生になったら少しずつご家庭でつけてあげてください。



 小・中学校の英語教育に関する調査・速報版
http://benesse.jp/berd/center/open/report/syochu_eigo/2011/soku/index.html

第1回 中学校英語に関する基本調査
http://benesse.jp/berd/center/open/report/chu_eigo/seito_soku/index.html