割合の話(資料解釈編)
前回の記事(コチラ )で紹介した中学生が抱える「割合」に対する弱さですが,公務員試験対策講座を受講する大学生・既卒生となってもその弱点が補強されていないケースがよくみられます。
数的推理として割合を算数・数学とからめて再学習することはもちろんのこと,資料解釈の問題では割合の感覚を駆使して概算で数値を把握することが求められます。
例えば,こんな問題を扱うとき・・・
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下表は旅行目的別の海外旅行者の推移を百分率で表したものである。昭和63年の海外旅行者数を842万人としたとき,以下の選択肢の正誤を考えよ。
旅行者数推移(対前年比,単位%)
昭和63年 123.4
平成 元 114.7
平成 2 113.8
1 昭和63年の海外旅行者数は,昭和62年と比較して180万人以上増えている
2 平成元年には,海外旅行者数が1000万人を超えた
3 平成2年の海外旅行者数は,昭和62年と比較して70%以上増えている
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これらの正誤を,暗算で求められればOK。ダメ!という人は,頭の体操だと思ってチャレンジしてみてください。
自分が講義をしていて受講者が最も驚くのは「資料解釈では%を分数に直せるようにしておく!」ことです。これがポイント,ということなのでしょう。
50%=1/2,33%=1/3,25%=1/4,20%=1/5 までは当たり前として,問題はその後。
1/6は16.666・・・%だから,16%とか17%を見たら1/6として扱う
1/7は14.257・・・%だから,14%前後を見たら1/7として扱う
1/8は12.5%だから,12%とか13%を見たら1/8として扱う
1/9は11.111・・・%だから,11%を見たら1/9として扱う
あとは1/11が9%とか,3/13が23%とか,だいたいの数字の感覚を掴んでいればよい。野球が好きな人は打率の計算でおおまかな割合がわかっていると思いますが,
.231→13打数3安打 .182→11打数2安打
ということです。打数と安打の関係を分数にするだけなのです。
それでは,選択肢を見ていきましょうか。
1では「昭和63年は昭和62年より23.4%増えた」と読みます。つまり昭和62年を13と考えるとき,昭和63年が16になったということ(増えた人数は3)。 ザックリ計算して,842万人÷16=53万人と見積もったとして,増えた人数は53万人×3=159万人にしかならないので,180万人には遠く及びません。よって×
2では「平成元年は昭和63年より14.7%増えた」と読みます。つまり昭和63年を7と考えるとき,平成元年が8になったということ。
ザックリ計算して,842万人÷7=120万人。平成元年の旅行者数は120万人×8=960万人にしかなりません。1000万人までの残り40万人は842万人の5%弱に該当しますから,誤差の範疇を超えていますね。よって×
3では,1と2を組み合わせて考えます。昭和62年の旅行者数は53万人×13=約690万人。この数字より70%旅行者数が増えると,690×1.7=約1170万人になる計算です。
平成2年の旅行者数は2より960万人と考え,1170万人になるには200万人の増加が必要です。この数字は960万人の20%強となりますから,13.8%の増加では到底届く数字ではありません。よって×
公務員試験で求められる割合の扱いはザッとこんな感じ。このくらいのスピード感でサクサクと見究めていく必要があり,本当に小数の計算をガリガリやっている余裕はないのです。
最後に,これを公務員試験対策用のテクニックと見るか,社会人になって数字を扱うときの常識と見るか。
プレゼンでは
「23%の人がとてもよいと答えた」
「13人に3人がとてもよいと答えた」
どちらがわかりやすいのでしょうか?
私はいつも後者を心がけるようにしています。