2014年度版「中学生でも解ける大学入試問題(数学)」その9
さて第9弾は,神戸大学(文・理)大問2を紹介しましょう。
m,n(m<n)を自然数とし,
a=n^2-m^2 b=2mn c=n^2+m^2
とおく。三辺の長さがa,b,cである三角形の内接円の半径をrとし,その三角形の面積をSとする。このとき,次の問いに答えよ。
(1)a^2+b^2=c^2を示せ。
(2)rをm,nを用いて表せ。
(3)rが素数のときに,Sをrを用いて表せ。
(4)rが素数のときに,Sが6で割り切れることを表せ。
これで配点が25点。中学生の知識で充分にチャレンジできますから,受験生の立場で考えると「絶対に落とせない問題」ということになりますね。
(1)a^2+b^2=(n^2-m^2)^2+(2mn)^2=n^4+4m^2n^2+m^4=(n^2+m^2)^2=c^2
(2) (1)より△ABCは斜辺がcの直角三角形であるから,S=ab/2
一般に三角形の内接円の半径rは,3辺の長さa,b,cと面積Sを用いて,r=2S/a+b+c(中学生でも必ず覚えておくべき公式!)と表すことができる。
このとき,分子=2S=ab=2mn(n^2-m^2),分母=a+b+c=2n^2+2mnより,
r=2mn(n^2-m^2)/2n^2+2mn=m(n+m)(n-m)/(n+m)=m(n-m)
(3)r=m(n-m)で,rが素数であるから,mとn-mのどちらか一方は必ず1
また,S=r(a+b+c)/2・・・☆ も成り立つ((2)で紹介した式の変形)。
①m=1のとき n-m=rよりn=r+1
a+b+c=2n^2+2mn=2n(n+m)=2n(n+1)=2(r+1)(r+2)
これを☆に代入して,S=r(r+1)(r+2)
②n-m=1のとき m=rよりn=r+1
a+b+c=2n^2+2mn=2n(n+m)=2n(n+r)=2(r+1)(2r+1)
これを☆に代入して,S=r(r+1)(2r+1)
(4) S=r(r+1)(r+2)のとき:r,r+1,r+2は連続する3つの整数であるからその積は必ず6の倍数。
S=r(r+1)(2r+1)のとき:
r(r+1)(2r+1)=r(r+1){(r-1)+(r+2)}
=(r-1)r(r+1)+r(r+1)(r+2)
これは連続する3つの整数の積を2種類足したものであるから,その和も必ず6の倍数。